2013年12月31日火曜日

年賀状差出基準

年賀状の枚数がピークだったのは平成16年…。
事務所発と自宅発とを合わせて、ゆうに千枚を超えてました。

それ以降、枚数は毎年百枚単位で減って行き、来年用は微々たる枚数に絞ってます。
しかも手書き部分は一切なし。味もそっけもない年賀状で、これは全員共通です。
毎年徐々に「年賀状差出基準」を見直していて、それに従った結果です。

さっき印刷が終わり、12月31日の昼頃までには投函しようと思います。

もう無理しないでも飯が食えるので、年賀状のような虚礼は完全に廃止したい!ところですが、そうも行かないのが資本主義社会で暮らしている者の根本的な弱点なのかもしれません。

2013年12月25日水曜日

平成25年度【問2】肢3の解説

(1)宅建の勉強は楽しくしよう


宅建業法16条2項は、「試験は、宅地建物取引業に関して、必要な知識について行う。」と書いてあります。

それからすると、平成25年度【問2】肢3は、果たして宅地建物取引業に関して、必要な知識か?
私には大いに疑問です。こんな問題でした。

男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。

高校や大学の受験でも同じですが、こんな問題が「高校生や大学生になろうとする者にとって、果たして必要か?」なんていうやつは、いつの時代でも出題されます。

文句を言っても始まらないですね。
だったら、試験勉強は楽しみながらヤルっきゃない!
これが私の考えです。

(2)つまらない解説はダメ


【問題】

男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。

【つまらない解説の例】

男は18歳に女は16歳になれば、婚姻できる(民法731条)。
未成年者が婚姻するときは、父母の同意が必要だが、この同意は父母の一方だけの同意でよい(民法737条)。
したがって本肢は誤り。


(3)なぜ、つまらない解説か?


それは、「なぜ父母の同意が一方だけでよいのか?」 その理由にひと言も触れていないからです。

実は、「一方だけの同意でよい」のは、男女同権に関係します。
つまり、父も母も、子の親権に対しては「同等の発言力があるとする男女同権思想」の現われなのです。

未成年の子が結婚すると言い出した時、父親が反対したとします。
でも男女同権なんだから、母親がいいじゃんと思った場合、その母親の子を思う意思を尊重するのが、男女同権というものでしょう!

(4)さらに楽しく - その1


昭和35年までは大学生の数が少なかったので、司法試験にも択一式はなくて、いきなり論文試験を受験できたそうです。
司法試験の択一式は昭和36年から創設されましたが、手許にある文献によると、昭和41年にこんな問題が出題されました。

未成年者に父母がいない場合は、後見人の同意…中略…がなくとも、婚姻することができる。

上の(2)のつまらない解説は、未成年者に父母がいない場合には全然触れていませんね。
この記事をご覧の皆さまは「元々両親ともいない未成年者はどうするんだ?」という疑問を持ったでしょ?
さあどうしましょう?

答はマルで、
 ・ 父母双方ともに、死んでいる場合
 ・ 父母双方ともに、不明の場合
 ・ 父母双方ともに、意思表示できない場合
その未成年者は、誰の同意がなくても婚姻できます。
未成年後見人(児童養護施設・親族など)は同意を与える権限がないというのが、「法務省の通達」なんです。未成年婚に対する同意は、父母の愛情に基礎があるということです。

ここまで書いてきた事については、私が作成した解説集に載せました。
無料版も、来年1月には公開しようと思います。

(5)さらに楽しく - その2


(イ)


ここから先は、私の解説集には載っていません。
でも、宅建の勉強を楽しくするために書いちゃいます。
今の民法の出題者は、「宅地建物取引業に関して必要でない知識でも平気で出すことがある人ですから、いつ役に立つかも知れないし…。

(ロ)


皆さまは、男女同権思想からして、そもそも男18歳・女16歳と、婚姻できる年齢を差別していること自体、おかしいと思いませんか?

グローバル的には男女同権思想が広まるなか、婚姻適齢の男女差を無くす方向に進んでいます。

 ・ ドイツは1974年から
 ・ イタリアは1975年から
 ・ フランスは2006年から
 ・ 韓国は2007年から

男女とも、婚姻できる年齢を18歳に統一させています。

また、父母の同意なしに婚姻できる年齢と成人年齢(世界の多くは18歳)を一致させる傾向になってきているようです。
私は無党派層ですが、下の参考資料にリンクしておきます。

※ 参考資料  男女の婚姻適齢の違いをどう考える? - 日本共産党

宅建の勉強は楽しくしよう!

2013年12月22日日曜日

嫡出でない子(非嫡出子)

(1)定義


「嫡出(ちゃくしゅつ)でない子」(非嫡出子)とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことです。

私が小さい頃は、「私生児!」と差別的な呼び方をする大人が多かったですが、民法上はすでに、昭和17年から「嫡出でない子」という表現をしています。

(2)差別の一つが無くなった


「嫡出でない子」の法定相続分を「嫡出である子」(嫡出子)の2分の1にすると書いてあった民法900条4号ただし書き前半部分が、平成25年9月4日の最高裁大法廷決定で憲法違反とされたのは、ご存知の方も多いと思います。

その大法廷決定を受けて、ようやく民法900条4号ただし書き前半部分が削除され、平成25年12月11日から施行されています。

今の民法900条4号は、

『子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。
ただし、<<…削除部分…>>父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。』

となり、ようやく「嫡出でない子」の差別の一つが消えました。

以上については、法務省の関連ページが詳しいです。


(3)まだ差別は残っている


わが国では大多数を占める「嫡出である子」(嫡出子)は、父母の氏(うじ)を称します(子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称します)。
でも、「嫡出でない子」は、母の氏を称します。
民法790条  民法791条も参照

母の氏を称させるなんて、「嫡出でない子」に対する別の差別だとは思いませんか?

「嫡出でない子」の法定相続分を2分の1としていた制度も、母の氏を称させる制度も、家族制度って何?だけでなく、グローバル的には男と女って何?という動物の根源に触れる難問ではありますが…。

2013年12月20日金曜日

使い捨てられる宅建講師

・ 「予備校に」使い捨てられる、作られた人気講師
・ 「受験者に」使い捨てられる、あほーな迷物講師

宅建倶楽部のサイトにアクセスして下さる80パーセント以上の方が、タダで迷物講師を使い捨ててます。

それでいいんです。
それが健全な精神だと思います!

※ 関連ページ 個人教授について


2013年12月18日水曜日

試験委員(出題者)に贈るクリスマス・プレゼント!

今日は皮肉を込めた、クリスマス・プレゼント…。
チョット早めですが、試験委員(出題者)に贈ります。
ホントのクリスマスandイブは忙しいので…。

(1)平成25年度【問27】肢3の誤字


本肢の記述は、

『宅地建物取引業者は、本店を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、国債証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、従前の本店の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管換えを請求しなければならない。』

となっていますが、赤い字が誤字です。
正しくは、保管替えです!(宅建業法29条1項参照)

※ 証拠 - 本試験問題平成25年度原文(PDF)

一般に、

《替》は、同種・同等の別のものと交替させる場合に使います。
営業保証金の「保管替え」は、移転前の主たる事務所の最寄りの供託所から、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への営業保証金の交替(振り替え)ですから、保管換えじゃダメで保管替えが正しいのです。

 《換》は、ある物を与えて別の物を得る場合に使います。
だから例えば、「免許換え」は、旧免許を返して(与えて)別の物(新免許)を得る行為なので、換えという字を使うのです。

大辞林の解説


(2)平成12年度【問10】肢2の誤字


せっかくだから、もう一つクリスマス・プレゼントを…。

本肢の記述は、

『Aは,「Aの財産をすべてBに遺贈する。 CはBに対して遺留分の減殺請求をしてはならない」 旨の遺言をして,CをAの相続から排除することができる。』

となっていますが、赤い字が誤字です。
正しくは、廃除です!(民法892条参照)

※ 証拠 - 本試験問題平成12年度原文(PDF)


2013年12月14日土曜日

平成26年度(2014年度)税制改正大綱

(1)与党案決定


2013年12月12日、自民・公明の与党は、平成26年度(2014年度)の税制改正大綱を決定しました。

現在は参議院のねじれがないので、すんなり閣議決定され、平成26年4月1日から、この与党案通りに法律として施行されますこれは経験的事実です。

(2)宅建試験への影響


平成26年度の宅建試験は、平成26年4月1日現在施行されている法令に基づいて出題されるので、本屋さんで売っている「平成26年版」の宅建参考書も、4月1日現在施行の法令に準拠させようとしています。

たとえば、報酬額計算で有名な消費税の税率は、5パーセントから8パーセントに修正されています(非課税業者については2.5パーセント加算から何パーセント加算になるかは御自分で調べて下さい!)

(3)市販本(印刷物)の宿命


しかし市販本(印刷物)の宿命で、「平成26年版」の宅建参考書でも、4月1日現在施行の法令に完全に準拠しているものはないです。私の知る限り…。
きょう見つけた古い記述は、居住用財産の買換えの特例の所でした。

租税特別措置法36条の2に関する箇所なのですが、この買換えの特例を受ける場合の「譲渡資産の要件」に「譲渡に係る対価の額が1億5000万円以下であること」というのがあるのですが、この額は1億円に減額されます
出版社は、12月12日の税制改正大綱(与党案)までは、頭が回らなかったようです。

与党案では、
『特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、譲渡資産の譲渡対価に係る要件を1億円(現行:1.5 億円)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 
(注)上記の改正は、平成 26 年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用する。』
となっています。

※ 参考PDF (ただし宅建講師向け)
平成26年度の税制改正大綱(自由民主党・公明党) - 33ページ(12)参照


2013年12月10日火曜日

宅建合格サイト

今回の記事は、宅建倶楽部自身の備忘録を兼ねたお知らせです。
つまんない記事です。

(1)fubenkyou.net の由来


2006年4月、宅建倶楽部では fubenkyou.net というドメインを取得しました。
fubenkyou(不勉強) としたのは、親戚を偲ぶためでした。

その昔、東京飯田橋駅近くの神楽坂に小さな帽子屋さんがありました。
値段をオマケするのを「勉強する」といいますが、その帽子屋さんは絶対にオマケしませんでした。商品に自信があったからです。
そこで、お店の名前を「不勉強堂」としていました。

この帽子屋さん、私の親戚です。
社長はすでに故人で、私と同じ「ひとり親方」だったので、今は廃業してます。
その社長を偲ぶために、 fubenkyou.net というドメインを取得してサイト名を「不勉強堂」 としたのでした。

(2)宅建六法をヤフー登録


fubenkyou.net ドメインを取得した翌年の2007年4月、宅建倶楽部では 888.fubenkyou.net というサブドメインで宅建六法を作り、ヤフーのカテゴリに登録申請しました。宅建の予備校はどこも宅建六法を作ってくれなかったからです。
自信作だったのですが、5月になってもヤフーからはナシのツブテ…。
無料申請じゃダメでした。

そこで2007年8月、ヤフーに審査料52,500円(税込)を払って申請したら、登録してくれました。
でもスンナリ登録してもらえたわけじゃないです。8月は夏休みの真っ最中で他に申請しているサイトが相当少なかったらしく、当時のサーファーさん(登録担当の人)は、宅建六法を3時間くらいかけて隅から隅まで見ていきました。その宅建六法は こちら です。


(3)サイト名を「宅建合格サイト」に変更


fubenkyou.net を取得してから7年半経った今、宅建倶楽部では「不勉強堂」というサイト名は不適当じゃないか? と議論になりました。皆さまにどんどん勉強して頂くためなのに「不勉強」じゃマズイというわけです。

ナルホドと思ったので2013年12月10日、「宅建合格サイト」という名前に変更しました。

2013年12月7日土曜日

私の職業は寺山修司です

(1)イントロ


今から30年前の1983年、寺山修司さんが47歳の若さで亡くなりました。
寺山さんは、劇作家であり詩人であり競馬評論家でもあった、すごい個性の持ち主です。

そんな寺山さんの、ある映像インタビューでの会話に、こんなのがあります(映像を張れないのが残念)。 

質問者:あなたの職業は何ですか?
寺山氏:わたしの職業は寺山修司です。

(2)個性


私たちは子どもの頃から、「個性が大切だ!」と言われて育ちました。

最近、「サラリーマンという職業はないんだよ!」なんて部下に説教垂れる上司がいるようですが、そんなのは「個性が大切だ!」の言い換えに過ぎません。

上司がどこまで自分で理解して説教しているのか、極めて疑問ですね。

(3)すごい個性


「私の職業は寺山修司です」を超えるすごい個性に、まだ出合ったことが無いです。

引退するまでに、「私の職業は小口忍です」と言えるようになりたいです。
それがダメなら、 「私の職業は迷物講師です」でもいいです。

「私の職業は宅建講師です」じゃ、あまりにも個性がなさ過ぎます!

2013年12月5日木曜日

何が捨てられるか

普段はヒマですが、きのうは合格発表日だったので、忙しかったです。
それで、このブログでの御挨拶を忘れてました。
合格した皆さまは、オメデトウです!

私はいま、「何が欲しいか」という基準で人生を考えていないです。
何が捨てられるか」が重要なんです。
「俺はいま、捨てることによって幸福を追求してるんだ!」なんて周囲をケムに巻いてます。

ところで、平成25年度【問17】の正解は(3)と思う とネットで発表している私に、「公式発表の(4)は納得できないから応援して欲しい!」との問い合わせが来ていますが、お断り致します。
私はいま、「何が欲しいか」という基準で人生を考えていないからです。

「何が欲しいか」という基準で人生を考えている人は、やられる覚悟で自分自身で行動を起こすべきです。それが怖いなら、ヤメればいいだけ…。

2013年11月21日木曜日

庶民の味方

◆ 庶民の味方
  …昔は、生活できた
  …今も、生活できる

◆ 庶民の味方のふりをする
  …昔は、生活できた
  …今は、生活できない (例:ステマ・アフィリエイター)

◆ 庶民の味方かどうか不明
  …昔は、生活できなかった
  …今は、生活できる (例:ヤフー・グーグル)

そんな妄想をしていた、晩秋の迷物講師です。

きょうの夕方は食料品の買い出し。
原発事故前は良かったなあ~!

葱は、農業生産法人※※※※株式会社の京都産「九条ねぎ」しか買えまっしぇん。

2013年11月20日水曜日

税金滞納者の行き着く先 [平成25年度問24肢4]

(1)イントロ


平成25年度問24肢4は、こんな問題でした。

固定資産税に係る徴収金について滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、その督促に係る固定資産税の徴収金について完納しないときは、市町村の徴税吏員は、滞納者の財産を差し押さえなければならない。

この肢はマルで、問24の正解肢ですが、出来た人が非常に少なかったようですね。

(2)平成25年度問24肢4の一般的な解説


正しい。
固定資産税に係る徴収金について滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、その督促に係る固定資産税の徴収金について完納しないときは、市町村の徴税吏員は、滞納者の財産を差し押さえなければならないことになっている(地方税法373条1項1号)。

皆さまは、こんな解説に満足しますか?
ほぼ全員が満足しないと思いますが…。

じゃ、こんな問題はマイナーな論点として、忘れ去ったほうが吉でしょうか?
私は、それでは勿体無いと考えます。

本問は、税金滞納者の行き着く先を、試験委員(出題者)がせっかく教えてくれたのだから、スルーするのは勿体無いと思うのです。

この御時世、我々は誰でも、いつでも、税金滞納者になる可能性があるのだから…。

(3)税金滞納者の行き着く先


イ 滞納(納期限までに納めない)


ロ 督促


お上(税務行政庁)は、納税義務者に督促(納期限が過ぎているので早く納めてね! という督促状を発信)しなければなりません。

そして、
お上が督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに滞納者がその税金を完納しないときお上は滞納者の財産を差し押さえなければなりません

平成25年度問24肢4は、ここが出題されたのです!

ハ 差押え(別名:滞納処分)


督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、滞納者がその税金を完納しないとき、国や地方は財政破綻しちゃう恐れがあります(国や地方は税金で運営されている!)。

そこで、スピーディーに(裁判所の手を借りないで)、かつ、強制的に税金を回収する必要性が出て来ます。そのために、お上は、滞納者のいろいろな財産に手を出します。これが差押えです。

(4)差押えによる税金強制回収の基本的な流れ


差し押さえた滞納者の「財産の種類」によって、流れが違います。

イ 金銭


差し押さえたのが「金銭」の場合、その金銭はストレートに、税金に充当します。

ロ 債権


差し押さえたのが「債権」の場合、その債権はお上が取立てて、税金に充当します。

例えば、滞納者が銀行に50万円の普通預金をしていた場合、滞納者は、その普通預金の払い戻し「債権」を有していますが、お上が取立てて(下ろして)しまうので、滞納者は銀行からお金を下ろせなくなっちゃう、という恐ろしい事になります。

ハ 金銭や債権以外の財産


差し押さえたのが「金銭や債権以外の財産(典型:不動産)」の場合、その財産は公売(こうばい)によって換価(かんか)し、お上がそれで得た金銭を、税金に充当します。

公売というのは、入札または競り売りによって、滞納者の不動産などを金銭に換えてしまう行為です。

(5)税金滞納者の行き着く先は、国税と地方税で共通!


上の(3)で書いた、 イ 滞納 →  ロ 督促ハ 差押え の話は、 国税と地方税で共通しています。
また上の(4)で書いた、 差押えによる税金強制回収の基本的な流れ国税と地方税で共通です。

だから、
「お上(税務行政庁)が、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、滞納者がその税金について完納しないときは、お上は、滞納者の財産を差し押さえなければならない」という決まりも、共通です。

例えば、国税徴収法47条1項1号では、
「滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない」なんて書いてあります。

また、地方税法73条の36、1項1号では、
「滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る不動産取得税に係る地方団体の徴収金を完納しないときは、道府県の徴税吏員は、当該不動産取得税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押えなければならない」と書いてあります。


税金の滞納、督促、差押えの基本的な流れ




















(6)お目こぼし文化


平成25年度問24肢4は、出来た人が非常に少なかったようですが、その原因は、差し押えられた経験のある受験者があまりいなかった事にあると思われます。

国税にしろ地方税(固定資産税・不動産取得税・自動車税など)にしろ、督促状が発せられてから1~2年放っておいても、実際には差し押えないのが、わが国の「お目こぼし文化」ですからね。

私も、むかし消費税を1~2年滞納した事がありますが、財産を差押えられた経験はないです。

でも現在、国には1,000兆円を超える借金があり、地方財政も台所事情は良くないですね。

だからこれからは、わが国の「お目こぼし文化」にも制限がかかって、「督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、…完納しないときは、…滞納者の財産を差し押さえなければならない」という決まりが、もっと厳格に適用されるかもしれません。

試験委員(出題者)は、そんなメッセージを平成25年度問24肢4に込めたのではないか、と私には思えるんですが…。

無味乾燥な税金も、このように「意味づけ」して勉強すれば面白くなるのですが、皆さまはどう考えますか?

2013年11月18日月曜日

2013年度宅建試験、28日後(4週間後)の動向

(1)イントロ


きょうの記事は、ほとんどがスタッフ研修用の記録です。

(2)受験者の動向


2013年10月30日水曜日の記事で、「本試験10日後」、受験者の大多数は、合格ライン系・出題ミス期待系のサイトなんか、もう見てない! と書きました。

それから18日が経過したきょうは、 「本試験28日後」になりますが、合格ライン系・出題ミス期待系のサイトを見ている本当の受験者は、もっともっと少なくなりました。大部分がSEO業者・予備校・講師・アフィリエイター等、業界関係者からのアクセスです。

グラフは、宅建倶楽部の不人気サイト(合格ライン専用ブログ)のものですが、上が「本試験10日後」のページビュー、下が 「本試験28日後」のそれです。
共に、ピーク時は10月20日の本試験当日になっています。







(3)迷物講師の動向


私は、行政書士・マンション管理士・管理業務主任者の講座もやっている何でも屋じゃないです。
ここが大手の宅建講師との大きな違い。
宅建講師しか能がない暇人です。

だから最近は、いろいろな方面にアンテナを張って、善良な受験者が「関係者のカモになっていないか」常に監視してます。

先日も、「他人の手柄を自分の手柄のように吹聴していたサイト」にお灸をすえておきました。

2013年11月16日土曜日

インターネット上の宣伝はコンテンツか?

(1)コンテンツの一般的な意味


コンテンツ(contents)とは「中身」を表す英語ですが、インターネット上では「情報の中身」という意味で使われるのが一般です。

※ 三省堂辞書サイト「コンテンツ」


(2)インターネット上の宣伝はコンテンツではない


でも、「情報の中身」なら何でもコンテンツと言えるか? となると私は否定的です。

例えば、インターネット上の宣伝は「情報の中身」には違いないですが、コンテンツと言っちゃダメだと思います。

ヤフーやグーグルにお金を払った宣伝専用ページに限らず、自分のブログ等で、自分の商品やサービス等を宣伝した瞬間に、そのページはコンテンツ性を失う、というのが私の考えです。

3)理由


そもそも contents ないし content は、ラテン語の contenum から派生した言葉で、ラテン語の con は「共に楽しむ」というような意味です。

だからコンテンツと言えるには、情報の中身が「共に楽しむ」ものであるのが必須と思われます。

つまり、情報の発信者と受け手が「共に楽しむ」のが、インターネット上のコンテンツの必要条件です。

そうなるとインターネット上の宣伝は、情報の発信者が、「勝手に」自己の商品・サービス等をネットに流通させる行為に過ぎず、「共に楽しむ」という要素を欠くので、コンテンツと言っちゃダメだと思うわけです。

(4)私が考えるインターネット上のコンテンツとは


インターネット上のコンテンツの要素は、情報の発信者と受け手が「共に楽しむ」点にあります。

情報の発信者は「発信することが楽しい」し、情報の受け手は「見たり聴いたり読んだりすることが楽しい」ということです。こういう情報が、私が考えるインターネット上のコンテンツです。

宅建試験関連のような学術性があるサイトでは、「楽しい」を「ためになる」に置き換えてもいいと思いますが…。

迷物講師は、これからも「共に楽しむ(ためになる)」コンテンツの発信に努めて参ります!

2013年11月12日火曜日

ぜひ応用が効く勉強を

平成25年[問1]


平成25年[問1]は、普通に宅建の勉強をしていた人なら誰でも知っている法律用語の応用力を試す問題でした。こんな問題です。

次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
(1)意思表示に法律行為の要素の錯誤があった場合は、表意者は、その意思表示を取り消すことができる旨
(2)贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
(3)売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨
(4)多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨

肢1で試された応用力


肢1は、
意思表示に法律行為の要素の錯誤があった場合は、表意者は、その意思表示を取り消すことができる旨」が民法の条文に定められているか、を質問しています。

ポイントは『錯誤』という法律用語。

『錯誤』があった場合、その意思表示は「無効」です。
それなのに、肢1は、その意思表示を「取り消すことができる」とウソをついています。

ウソをついているので、肢1は、不正解肢です。
応用以前の『錯誤』の知識の問題ですね。

※ 参照 民法第95条



肢2で試された応用力


肢2は、
贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨」が民法の条文に定められているか、を質問しています。

ポイントは『瑕疵』という法律用語。

物や権利に『瑕疵』があった場合、普通に宅建の勉強をしていた人なら「売主の担保責任」を思い出すでしょう。
そして、売主の担保責任は「無過失責任」(売主に故意・過失がなくても負う責任)でしたね。

じゃ聞くよ? というのが問題作成者からの質問です。
贈与者(無料で物や権利をあげる者)の担保責任も「無過失責任」でいいかい?

答はノーですね。
売主の担保責任が「無過失責任」なのは、もらった代金相当分の見返りを買主にしてあげてないからです。
でも贈与者は無料であげているので、ワザと変な事した場合(贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合)に責任を負うと民法が定めて、有償(売買)の場合と無償(贈与)の場合とのバランスを図ったんです。だから、この肢2が正解肢になります。贈与者は毒まんじゅうを毒と知って贈った時に責任を負えばいい、とイメージしましょう。だから、もらった人からは「タダより高い物はない」なんていう格言が発生しました。

肢2は、売主の担保責任を勉強している時に丸暗記してるだけの人を排除する問題です。
売主の担保責任が無過失責任なのは何故か? まで考えて勉強してきた人を対象にした応用問題です。

※ 参照 民法第551条1項 


肢3で試された応用力


肢3は、
売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨」が民法の条文に定められているか、を質問しています。

ポイントは『隠れた瑕疵』という法律用語。

売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合に買主が負う責任を「瑕疵担保責任」といいます。
普通に宅建の勉強をしていた人なら、宅建業法を勉強する際にも年中出てくるので、誰でも知っていますね。

「瑕疵担保責任」の内容は、「善意の買主に限って、契約の解除や損害賠償を請求できる」ということです。

それなのに、肢3は、買主は、「その程度に応じて代金の減額を請求することができる」とウソをついています。

ウソをついているので、肢3は、不正解肢です。
応用以前の「瑕疵担保責任」の知識の問題ですね。

※ 参照 民法第570条 民法第566条



肢4で試された応用力


肢4は、
多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨」が民法の条文に定められているか、を質問しています。

ポイントは『約款』という法律用語。

普通に宅建の勉強をしていた人なら、宅建業法で勉強した媒介契約の規制の所の「標準媒介契約『約款」を思い出すはずです。

宅建業者は…その媒介契約が、国土交通大臣が定めた「標準媒介契約『約款」に基づくものかどうかの別…を媒介契約書に記載しなければらない、というアレですね。

じゃ聞くよ? というのが問題作成者からの質問です。
君はそもそも『約款』の意味を知ってるのかい?

丸暗記に明け暮れしていた受験者のほとんどが、そこまで考える余裕は無かったでしょう。
でも、現代という時代に生活している私たちには、『約款』はいつもお世話になっている重要な制度なのです。

約款


約款』を日常用語で表現すれば、契約に定められた一つ一つの条項のことです。

私たちがいま勉強している民法は、百年以上前の明治31年に施行されました。
当時はまだ牧歌的なもので、契約に定められた一つ一つの条項(『約款』)は、契約先が見つかるたびに、いわば手作りで、一人一人の相手方と相談の上決めていました。

それじゃ面倒だと、当時の財閥なんかは、多数の取引企業がいたので、その多数の企業と同じ条項を定めたヒナ型を作るようになりました。企業間の合理化を図るためです。

やがて現代に至ると、生命保険業界やIT業界なんかは、多数の一般消費者も抱えるようになったので、その多数の一般消費者と同じ条項を定めたヒナ型を作るようになってきました。企業間のみならず一般消費者間とも合理化を図るためです。

こうした中いま、法務省では「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」というのを作成中で、その改正試案第30というところで、「1 約款の定義」と題し、

約款とは、多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的として使用するものをいうものとする。」なんていう条文を、改正後の新民法に盛り込もうか議論しています。

肢4は、
多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨」が民法の条文に定められているか、を質問しています。

上の複雑そうな文章を日常用語で表現すれば、「大勢と結ぶ予定の契約条項の全体で、契約内容を画一的ヒナ型的)に定めることを目的とするものを『約款』と定義しよう!」ということです。

ここまで読んで頂くと、この肢4は、私たちがいま勉強している民法には定めがなく、改正後の新民法に盛り込まれるかもしれない条文に過ぎないことが、お分かり頂けると思います。

なお、改正後の新民法に『約款』の定義を盛り込むことに反対の勢力もあります
なぜならば、『約款』はヒナ型なので大勢を相手にするには合理的ですが、契約者一人一人の意思を無視する短所があるからです。

私たちが、生命保険を契約する時の「生命保険約款」やITコンテンツを使う時に自動表示されるIT約款は、大きい会社等には合理的で有利ですが、反面、一般消費者には十把ひとからげ扱いされる不利益が拭えません。

大量消費社会の合理性一般消費者のキメ細かいサービスの要求とをどの辺でバランスさせるかという極めて現代的な経済応用を含んでいるのが肢4だったのです
肢4は応用が高度過ぎるので、問題作成者はこれを正解肢にすることは避けたようです。


形式的理由しかない一行解説は捨てろ!


平成25年[問1]に限らず、相も変わらず形式的理由しかない一行解説が横行していますが、これじゃ、何年勉強してもお金の無駄になりかねません。

本試験問題はチョットひねれば、同じテーマでも無限に作れますから、これから勉強するかたは、どうすれば応用が効く頭になれるか、とても重要です。
その一つとして私が提案するのが、形式理由しかない一行解説は捨てちゃうことです。

形式的理由しかない一行解説の例


平成25年[問1]
次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
(1)意思表示に法律行為の要素の錯誤があった場合は、表意者は、その意思表示を取り消すことができる旨
(2)贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
(3)売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨
(4)多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨

解説
(1)錯誤があった場合は、表意者は、その意思表示を取り消すことができるのではない。したがって、民法の条文に規定されているわけがない。
(2)贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う。したがって、民法の条文に規定されている。
(3)売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができるのではない。したがって、民法の条文に規定されているわけがない。
(4)多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨は、民法の条文に規定がない。

2013年11月6日水曜日

支配可能と支配不能の見極め

人生には、「支配可能」なものと「支配不能」なものがあります。

そして、何か人生の問題に直面した時、その問題は、果たして自分が「支配可能」なのか、それとも「支配不能」なのかを見極める事は、とても重要です。

(1)両者の見極めかた


「支配可能」か「支配不能」かを見極める際、外界の刺激に単純に反応するのが、一番楽です。
でも、「外界刺激単純反応型」は一番失敗が多いです。

例えば自分が、宅建に合格しないと大変! という問題に直面した際、単純に広告に反応してしまうのが、「外界刺激単純反応型」です。

広告は、「誰でも簡単に合格できる!」と期待を抱かせるように作られているのが常なので、広告に反応してしまうだけだと、宅建合格なんて「簡単!簡単!」となっちゃいます。
そこまではルンルン気分なんですが、「外界刺激単純反応型」の合格率は極めて低いです。

なぜならば、そういう人は「自分で考えていない」からです。

考えるとは、自分の頭の中にある「雑念を何とかまとめ」ようとする行動なのです。
単純に広告等の外界の刺激に反応することじゃないのです。

宅建合格を切望しているかたは、どうか、自分の頭の中にある「雑念を何とかまとめ」ようと行動した上で、支配可能性を見極めて下さい。

(2)支配可能と見極めた場合の対処法


自分の頭の中にある「雑念を何とかまとめ」あげて、宅建合格は自分が「支配可能」と見極めたとしましょう。

※ 注
宅建合格は「支配可能」と見極めたときの、「雑念をまとめる」際の材料は、
 ・ 自分の国語力
 ・ 自分の集中力
 ・ 自分の物を考える力
 ・ 現在の職場環境 
 ・ 現在の経済環境
 ・ 現在の家族環境
など、人それぞれでしょう。

宅建合格は「支配可能」と見極めたときの対処法は、合格に向けた「ピントの合った勉強」を続ければいいだけです。

ちょっと注意させてもらうと、「ピンボケの勉強をしている人が過半数を占める」ので(私の実感)、「ピントの合った勉強」とは何かを、勉強を始める前に、ネット等で調べておくといいです。その際、私が過去に書いた ブログによらない宅建講師のメッセージ も参考にして下さい。

要は、「宅建合格は自分が支配できる」と決めた以上、それに向けて最善を尽くすことです。

(3)支配不能と見極めた場合の対処法


自分の頭の中にある「雑念を何とかまとめ」て、宅建合格は自分には「支配不能」と見極めたとしましょう。

この場合の対処法は、言うまでもなく、宅建試験の勉強をしなければいいだけです。
他の勉強はしたほうがいいと思いますが…。

(4)今回書きたかったことの核心


私が今回書きたかった核心は、これからです!

人間誰しも、他には支配されたくないというプライドを持っているので、「支配可能と支配不能の見極め」は、人生すべてについて、すごく難しいです。

そして難しいのは、「支配不能の見極め
「外界刺激単純反応型」に立って行け行けドンドン式に支配可能の見極めをするほうが何十倍も楽です

私の場合、上の赤い字の部分が自分の頭の中で整理できるようになったのは、50歳を過ぎてからでした。
昭和40年代半ば、「安保反対!沖縄返還!」を叫んで、機動隊に石や火炎瓶を投げていた全共闘世代のオヤジの行き着いた先はそんなもんです。お笑い下さい。

「支配不能」の見極めの難しさで、このブログを読んいる皆さま全員が経験しているであろうことを一つ例にあげます。

それは、他人からの「誹謗・中傷・イジメ」です。

「誹謗・中傷・イジメ」への対処法のポイントは、「他人の心は絶対に支配不能だ」と知ることです。
当たり前の事かもしれませんが、自分の心 ≠ 他人の心です。

だから、他人からの「誹謗・中傷・イジメ」の対処法は、
 気にしない
 ・ あきらめる
のどちらかしかない、と私は思ってます。

真面目・几帳面な人ほど、他には支配されたくないというプライドが邪魔して、
 ・ 気にしない
 ・ あきらめる
を、頭では理解できても、なかなか実行できないでいるようです。
ために余計事を複雑にしてしまい、精神科のお世話になる人まで出てくる始末…。

(5)最後にひと言


私は宅建講師なので、最後にひと言。

平成25年度の合格発表まで1ヶ月近くあります。
合格基準点は100パーセントお上が決める事であり、自分では「絶対に支配不能」です。
 ・ 気にしない
 ・ あきらめる
のが吉です。

アフィリエイターは、「今年は※※点でも合格できる!」と期待を抱かせるような記事を書くのが常です。
それに単純に反応してしまうだけだと、どこかの新興宗教よろしく、束の間のルンルン気分を味わうことはできます。

でも後が何倍もつらくなります
つらくなった時(12/4の発表日以降)は、来年の宅建試験までもう10ヶ月半しか残されてないのです。

2013年10月30日水曜日

宅建試験10日後、本当の受験者はこんなサイト見てない

(1)


宅建試験実施機関の速報値によると、平成25年度(2013年度)は、

 ◆ 申込者 234,586人
 ◆ 受験者 186,292人
 ◆ 欠席者   48,294人 
 ◆ 受験率 79.4パーセント

でした。

(2)


受験者約18万6千人のうち、今年は何人くらいが「合格ラインが気になっている」かを、迷物講師の経験に基づく基準で解析してみました。

約10万人と出ました。

受験はしたけど、早々に諦め「合格ラインを調べる気もしなかった」であろう人が8万6千人はいたと見ています。

(3)


「合格ラインが気になっている」約10万人は、本試験当日夜から、予備校・講師・その他アフィリエイトで稼いでいる人のサイトにアクセスし、正解肢や合格ライン予想を見ては一喜一憂します。

下のグラフは、私が書いている「合格ライン専用ブログ」のアクセス数(頭数ではなくページビュー)なのですが、このブログは本試験前から今日(10月30日)まで検索エンジンでの順位が芳しくないサイトです。こんなサイトでも、本試験当日には1万5千のアクセスがあったのです。

合格ライン専用ブログの「親サイト」は、あらかじめ、検索エンジンで1番~3番になるよう施策してあって、現在その通りになっているのですが、検索エンジンでの順位が芳しくない専用ブログのアクセスでも、当日は1万5千のアクセスがあったということです。



(4)


検索エンジンで1番~3番になるよう施策した親サイトは、専用ブログより6倍~7倍のアクセスがありますが、本試験当日をピークに、上のグラフと同じような下降傾向を示しながら、今日に至ってます。

いずれのサイトも、本試験から10日も経過した今日のアクセスは、ピーク時の5分の1もありません。

本試験当日は、「合格ラインが気になっている」人が約10万人でも、本試験経過後10日経ってみれば、2万しか予備校・講師等のサイトにアクセスしていない、と迷物講師は解析しています。

宅建倶楽部は弱小予備校ですが、一応10万前後のアクセスを解析してますので、全国傾向と統計上は一致すると思います

なお、
本試験から10日経過後は2万しか「合格ラインが気になっている」人がいない、と思われたかもしれませんが、それは違います。

2万はページビューであり、頭数はその4分の1の5千人です (同じパソコン等から4回も見てる!)。

これにはさらに尾ひれが付いてまして、
5千人のうち甘く見ても半分の2千5百人は関係者(SEO業者・予備校・講師・その他アフィリエイトで稼いでいる人)です。

だから、本試験から10日経っても「合格ラインが気になっている」本当の受験者は全国で2千5百人しかいない、と申しあげておきます。
こんな状態が、正式発表の4日くらい前(11月下旬)まで続くのが、今年の傾向でしょう。

純粋文科系の迷物講師ですが、うちの奥さんから借りた統計ソフトを使うと、こんな弱小予備校でも、このくらいの事は解析できるのが今のデジタル社会です。
怖いですね~!

このブログを読んでいるあなたが、もし2千5百人しかいない本当の受験者だとしたら、本試験の余韻にひたるのはそろそろオシマイにして、一日も早く普段の生活に戻られますよう、強くおすすめいたします。

本試験10日後、本当の受験者の大多数は、合格ライン系・出題ミス期待系のサイトなんか、もう見てないのです!

2013年10月28日月曜日

娘が漢字検定準1級を受けてきた

宅建の次の日曜日のきのう、うちの娘が漢字検定準1級を受けてきました(受験料は宅建より安い4,000円ですが、前回の合格率は11.9パーセントとかなり厳しい試験)。

中学時代から英語に興味をもち始めた娘は、高校時代にオーストラリアに短期留学したのをステップに、外国語大学の英語科を卒業しました。
グーグルプラスのカバー写真になっているカンガルー君は、娘が撮影したものです。

反面、彼女の日本語能力は中学3年生のままでストップしてしまった状態。

3年前も、テレビで女優さんが、「空茶(からちゃ)ですみません」なんてしゃべるシーンがあったのですが、娘は即座に反応して、「お客さまにお茶碗だけ出すなんてマジ信じられない!」なんて言うので、家族全員の目が点になりました。

※ ちなみに、「空茶」とはお茶菓子を出さずに、お茶だけ飲ませること。

この大失態後、「※※ちゃんはオーストラリアからの留学生だもんね!」なんて、家族全員にからかわれてます。

我が家全員の負けず嫌いは、娘にも遺伝しているようで、ここ1~2年は一念発起し、夏目漱石はおろか古典的文章も読み漁ったようで、その勉強の成果を試すべく、いきなり準1級を受けてきたのが、きのうというわけです。

帰宅した彼女は、家族全員に出題されたばかりの準1級問題を解いてみろよ!と命じます。
仕方ないから付き合ってあげたら、
 ・ 一番成績が良かったのは、もちろん私!
 ・ 二番目が奥さん
 ・ 息子は最下位
でした。

全員が間違ったのが、「医者」の類義語を書かせる問題。
答は「杏林」なんですね。
杏林=医者だとは娘以外だれも知りませんでした。

※※大学医学部看護学科の教員をしているうちの奥さんの馬脚が現れた瞬間で、ここは結構笑えました。

そういえば、東京の三鷹市に杏林大学病院がありますが、あの杏林(きょうりん)も医者という意味だったと、きょう検索してみて初めて分かりました。

普段偉そうなこと言ってる迷物講師の国語力も、こんな程度です!

※ 参考  
kotobank 杏林




















2013年10月18日金曜日

適度な緊張をもって、いざ出陣!

(1)大物の受験者へ


いよいよ2013年度試験です。
「この日が来るのを楽しみにしていた!」と言うアナタは大物。

(2)普通の受験者へ - その1


ほとんどの皆さまは、何となくドキドキしているのではないでしょうか?
私も皆さまと同じ心境になれるよう、毎年受験してますが、何年受験しても、本試験の時はドキドキしますね。

でも、適度の緊張は、むしろイイ事だと思って下さい。

(3)普通の受験者へ - その2


試験開始20分前くらいになると、ほとんどの人が着席します。
会場内がシーンと静まりかえって来ます。

そうすると、普段は聴こえない自分の心臓の音まで聴こえて来ます。
そのくらいの緊張は、全然心配しないで大丈夫。
ほとんどの人がそうです。

ジッと目をつぶっている人、やたらセキ払いする人、貧乏ゆすりしてる人、時間ギリギリに到着して周囲に迷惑かけてる人、まあイロイロな受験者がいます。

(4)普通の受験者へ - その3


試験開始前のこの時間は、「試験が終わってからの事」を考えるのが一番です。
今まで抑圧されていた心を解放する方向で、想像をめぐらせるのが一番のオススメであり、そういう人の合格率が高いです。

「合格したら、▼▼予備校・▲▲講師のクソ教材なんか焚き火にくべてやる!」なんかどうでしょうか?

(5)普通の受験者へ - その4


私が一番ヤバイと思うのは、会場内がシーンと静まりかえって来た時に、「落ち着こう…ムニャムニャ」・「自分は絶対に合格するんだ…ムニャムニャ」なんて、あたかも呪文のごとく唱えちゃう事です。こういう人は結構失敗しやすい。

「落ち着こう…ムニャムニャ」・「自分は絶対に合格するんだ…ムニャムニャ」は、試験開始20分前の会場内がシーンと静まりかえって来た時にするもんじゃない! と迷物講師は言ってるんです。

普段は聴こえない自分の心臓の音が聴こえてくる人は、そういう…ムニャムニャを唱えれば唱えるほど逆効果です

試験開始前のこの時間は、「試験が終わってからの事」(今まで抑圧されていた心を解放する方向)で、想像をめぐらせるのが一番のオススメで、成功率も高いと申し上げているのです。過去何千人の合格者から聞いた経験談でもあります。

これは受験者の80パーセント以上にオススメできることであり、私が毎年受験してるのも
それを毎年毎年確認するためです。単に本試験問題をもらうために受験してるんじゃないですよ!

私は、自分で買ったこともない商品を他人に紹介するアフィリエイターじゃないですから…(笑)。

(6)受験者全員へ


試験開始20分前の会場内がシーンと静まりかえって来た時、目が疲れそうな予感がする人は、目薬をさすと効果的です。

自宅から、香水等好きなニオイを染み込ませた小さ目の濡れタオルを持参して、この時間に「プルプルプル」と顔を拭くのも効果的です。

この濡れタオルは、途中「なかだるみ現象」を感じた時に、堂々と取り出して、再び「プルプルプル」と顔を拭くと、気分一新を図れます。

私は毎年、机の上に堂々と濡れタオルを出しっぱなしにして、時々「プルプルプル」とやってますが、ただの一度も監督員から咎められたことはないです。
コツは堂々とやること。コソコソはいけません!

上の話は有名になると、将来禁止されるかもしれないので、他言無用!(笑)

さあ!
適度な緊張をもって、いざ出陣!
行ってらっしゃ~い!

※ 関連記事
平成24年度受験に際してのハナムケ


宅建試験「マークシート」の裏話

(1)マークシートの試験なのに発表までに1ヶ月半もかかる


平成25年度の宅建試験は10月20日(日)に行われ、12月4日(水)に合格が発表されます。

宅建は四肢択一のマークシート方式の試験なのに、発表までに1ヶ月半もかかる計算になりますね。

(2)マークシート読取機の性能


解答が記入されたマークシートは、全国から一箇所(某所)に集められます。

下の写真は、千葉県の某試験会場から皆さまの運命を乗せたマークシートを某所に運ぶための自動車です。
現金輸送車並みの車ですね。この車の他に伴走車(セダン)が2台付いて行きました。




集められたマークシートは、まず機械にかけて採点されます。
この機械を「マークシート読取機」または「マークシートリーダー」と言います。

現在のマークシート読取機は、かなり性能が向上しています。
受験者が正解肢「3」をマークしたのにバツにされることは99.9999パーセントない、と言っていいでしょう。

マークシート読取機を取り扱う職員が、不注意でマークシートを斜めに差し込んでも、それを感知して正常に読み取れる仕掛けまで付いています。

機械の性能は良くても、マークする受験者側の不注意で採点が渋滞することは、案外多いようです。

典型的には「ダブルマーク」といって、2箇所以上にマークした場合ですね。
正解肢は一つしかないので、ダブルマークの答案は当然機械が感知してはじき出します。

マークし直した場合に問題が生じることもあります。
受験者が正解肢の「3」をマークしたけれど、その前にマークしていた番号の消し方が不完全だった場合です。

現在のマークシート読取機は、最低でも、黒の濃淡を最高128段階に調節して読取れる性能を有していますが、消しゴムのかすが静電気によって付着していたような場合は、ダブルマークとしてはじき出されることもあります。

機械は、しょせん人間が作ったものだから、人間が予想しない事態にはお手上げです。
こびり付いていた「鼻くそ」を感知した、なんていう笑い話まであります。
 

(3)国家試験の採点には、血も涙もある!


ここで皆さまには、国家試験の採点には「血も涙もある!」ということを是非理解して頂きたいと思います。

これは、マークシートなどなかった時代からの、わが国の良き伝統です。
どんな国家試験でも、受験者は人生を切り売りして受けるわけだし、国家は1点でも余計に得点した者を欲しいわけです。

だから、機械がはじき出した答案は、最終的には人間が見て判断することになっています。

これは大学入試センター試験などでも同じです。

いわゆる常識で判断して、正解肢の「3」にマークしたということが分かれば、正解にしてくれます。

状況証拠を1つあげておきましょう。
それは、発表までに1ヵ月半もかかる事実です。

宅建の合格点は、私の調査では、毎年11月中旬に決定されますが、それにしても試験日から4週間は経過しています。

マークシート読取機は、最低でも、1分間にA4サイズの答案を80枚採点できるのが現在の性能です。

1時間で4千8百枚、8時間で3万8千4百枚です。
平成25年度の受験者は19万1千人と推定されるので、読取機が1台しかなかったとしても、5日もあれば機械採点は終るはずです。

試験実施機関の不動産適正取引推進機構は、最近は「大学入試センター並みの機械」で採点している様子が無きにしもあらず…。

これだと機械採点は1日で終わっちゃうでしょう。
念のために二度機械にかけたとしても、2日で終わりですね。

残りの時間は、人間が見て判断する時間に充てられていると思いませんか?
 

(4)良くある質問


質問 - その1


マークする筆記具は、「BかHBの鉛筆又はシャープペンシル」が指定されていますが、それ以外ではダメですか?

芯の硬さは関係ありません。マークシート読取機の性能は、 最低でも、黒の濃淡を最高128段階に調節して読み取れるので、普通に使っている硬さであれば気にしないことです。

まあ常識的には2Bから2Hの間でしょうか。 私は2Bを使っています。
当然ながら、鉛筆はトンボがいいか三菱がいいかも関係ないです(笑)。

なお最近では、マークシート用の鉛筆やシャープペンシルも売っていますね!

質問 - その2   


マークはワクの中をきれいに塗りつぶさなければダメですか? 

きれいに塗り絵するのは時間の無駄です。
1ミリくらいはみ出しても問題ありません。

逆に、ワクの直径より1ミリくらい小さいマークでも大丈夫です。
これは過去の宅建倶楽部の毎年の合格者の証言からも、間違いありません。

マークシート読取機は、機械のガタ付きを考慮して、上下・左右の幅を相当ゆるやかに設定しています。
解答用紙の注意書きを読むと、きれいに塗り絵しなければダメだと思わされますが、そんなに神経質になることは無いです。
 

質問 - その3


黒のボールペンでマークしたらどうなりますか? 

マークシート読取機の設定にもよりますが、宅建試験の場合は、機械が感知してはじき出されると思ってください。

その後人間が見て0点になります。

これは「完全に条件違反だから」です。
「鉛筆又はシャープペンシル」での記入は絶対条件なのです。

厳密に解釈すれば、「BかHB」も条件ですが、「BかHB」の部分は人が見なければ判断できません。そんなことしてたらマークシート方式が無意味になります。

したがって、鉛筆又はシャープペンシルで書くことだけが、マークシート方式の国家試験の隠れた条件になっています。

この点については、実験したことがあります。
私より実力があるかもしれない(?)スタッフにボールペンでマークさせてみたら、見事桜が散りました。

(5)余談


上の方に載せたマークシートを某所に運ぶための自動車の写真ですが、バイク乗りの迷物講師が、こんなの尾行するのは朝飯前でした…。でもこの写真は、今から8年前の平成17年度本試験のものです。

国交省はおろか、いかなる新聞社・出版社・大手予備校等とも利害関係のない私ですが、そこはバランス感覚で、最近の鮮明な写真は掲載しない事にしました。

2013年10月15日火曜日

わが国の不動産業者が双方代理する不思議

前回は、「わが国の広告代理店が双方代理する不思議」という、今年の宅建合格には全然寄与しない与太話をしました。

今回はその続編という事で、休憩時間に気楽に読んで頂ければと思います。

(1)民法の定め


民法108条は、「同一の法律行為については、…(中略)…当事者双方の代理人となることはできない。ただし、…(中略)…本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」と書いてあります。これが民法の双方代理の定めです。
民法108条の条文

だから、わが国での双方代理は、
(原則)…禁止
(例外)…本人があらかじめ許諾してればOK
となります。

(2)不動産業の不思議


迷物不動産(架空)をはじめとする不動産業者は、ほぼ100パーセント、「本人があらかじめ許諾してれば双方代理もOK」、という例外規定で商売してます。




この図の
 ・ 本人(売主) … 築30年の甲マンション303号室の売主 = 鈴木さん 
 ・ 本人(買主) … 築30年の甲マンション303号室の買主 = 田中さん
だと思って下さい。

この場合、わが国ではほぼ100パーセント、迷物不動産なら迷物不動産という同じ不動産業者が、鈴木さん(303号室の売主)と田中さん(303号室の買主)の双方から許諾を受けて代理人となって代理契約を実行しています。

本人双方から許諾を受けているんだから、宅建試験の解答としては、この双方代理は合法です。

ところで迷物不動産は、日本中にいる宅地建物の売主や、日本中にいる宅地建物の買主と、それぞれの本人から許諾を受けて双方代理することが許されています。これは迷物不動産以外の不動産業者も知事免許・大臣免許を問わず全部同じであり、それが現在の日本の法律です。

ということは、迷物不動産のサジ加減次第で、鈴木さん(303号室の売主)に有利な代理を行えるし、田中さん(303号室の買主)に不利な代理を行うことも出来る、ということになってしまうのです。

例えば、鈴木さん(303号室の売主)が迷物不動産と長い付き合いのあるお得意のオーナーさんなら、そのマンションの床下スラブに埋設されている配水管の水漏れを田中さん(303号室の買主)に隠して売ってしまったとしても、現在の区分所有法をはじめマンション関連の法令・判例では、迷物不動産の鈴木さん(303号室の売主)に対する有利なサジ加減を糾弾することは、まず不可能です。

まさに、わが国の法令が合法としている「本人があらかじめ許諾してれば双方代理もOK」という民法108条の例外規定では、このような「不動産業者のサジ加減次第」を防げていないのです。

アメリカではそんな事は普通ないです。
 ・ 本人(売主) … 築30年の甲マンション303号室の売主 = ブラウンさん 
 ・ 本人(買主) … 築30年の甲マンション303号室の買主 = オスカーさん
を、どこかの不動産業者が双方代理することは原則違法とされています。

アメリカでは「不動産業者のサジ加減次第を防止するシステム」が、何十年も前から確立しています。
売主(ブラウン)さんの代理人はA不動産、買主(オスカー)さんの代理人はB不動産、というようにちゃんと分離されているのです。

TPPが本格的にやってくると、おそらくアメリカ標準に直すことを余儀なくされ、不動産業者の「双方代理を利用した商売」の時代は終焉を迎えるかもしれないことを、これから不動産業界で働こうとしているかたは知っておくべきでしょう。「双方媒介」についても同じです。

(3)余談


昭和40年代に大量建築された古いマンションが建て替え時期を迎えつつある今、マンションの床下スラブに埋設されている配水管の水漏れは、誰が責任を負うか? という事が重大な社会問題になりつつあります。
国交省・管理組合等は「火消し」にやっきになってますが…

その配水管が専有部分と認定されれば、鈴木さんか田中さん(303号室の売主か買主)が責任を負います。
その配水管が共用部分と認定されれば、他の共有者全員が責任を負います。
最高裁判例も出てますが、この記事は与太話なので、それには触れません。

こんな事、素人ばかりじゃなく、宅建受験者の皆さまも全然分かりませんよね?

アメリカのように、不動産業者が双方代理することが原則違法となれば、売主(ブラウン)さんの代理人であるA不動産も、買主(オスカー)さんの代理人であるB不動産も、受任義務違反を追及されないように、配水管の水漏れの危険性に至るまで綿密に調査すると聞いています。特に古いマンションでは…。

わが国の広告代理店が双方代理する不思議

(1)民法の定め


民法108条は、「同一の法律行為については、…(中略)…当事者双方の代理人となることはできない。ただし、…(中略)…本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」と書いてあります。これが民法の双方代理の定めです。
民法108条の条文

だから、わが国での双方代理は、
(原則)…禁止
(例外)…本人があらかじめ許諾してればOK
となります。

きょうの記事は、皆さまに法律の講義をするのが目的じゃない与太話なので、休憩時間に気楽に読んで頂ければと思います。

(2)広告代理店の不思議


電通・博報堂をはじめとする広告代理店は、100パーセント、「本人があらかじめ許諾してれば双方代理もOK」、という例外規定で商売してます。



   

この図の
 ・ 本人(売主) … 日産自動車=テレビ広告の売主 
 ・ 本人(買主) … テレビ朝日 =テレビ広告の買主
だと思って下さい。

この場合、わが国では100パーセント、電通なら電通という同じ広告代理店が、日産自動車(テレビ広告の売主)とテレビ朝日(テレビ広告の買主)の双方から許諾を受けて代理人となって代理契約を実行しています。

本人双方から許諾を受けているんだから問題ないじゃないか、と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。

電通は、トヨタ・ホンダ・マツダ等の他の自動車会社(テレビ広告の売主)や、日本テレビ・TBS・フジテレビ等の他のテレビ局(テレビ広告の買主)とも、それぞれの関係各社から許諾を受けて双方代理しているのです。これは博報堂以下の広告代理店も全部同じです。

ということは、電通・博報堂等の広告代理店のサジ加減次第で、日産に有利な広告も打てるし、マツダの広告料だけを吹っかけることも出来る、ということになってしまうのです。

そして事実、そのようなヤクザな情報が、船橋の片田舎に住んでいる私の元にも入ってきます。

アメリカではそんな事ないです。
 ・ 本人(売主) … フォード=テレビ広告の売主 
 ・ 本人(買主) … CNN  =テレビ広告の買主
を、どこかの広告代理店が双方代理することは絶対に無いです。

広告代理店のサジ加減次第を防止するシステム」が、何十年も前から確立しています。
テレビ広告の売主(フォード)の代理人はAエージェンシー、テレビ広告の買主(CNN)の代理人はBエージェンシー、というようにちゃんと分離されているのです。

TPPが本格的にやってくると、おそらくアメリカ標準に直すことを余儀なくされ、広告代理店の「双方代理を利用したボロ儲け・ヤクザ商売」の時代は終焉を迎えることでしょう。

(3)余談


船橋の片田舎に住んでいる私の元にこんなヤクザな情報が入ってくるのは、私の身内が大手広告代理店で飯を食わせてもらっているからなのですが、年収数千万円の彼は、いわゆる逃げ切り世代なので、「もういいかっ!」って感じで書いたのが、今日の記事です。

今年の宅建合格には全然寄与しない、与太話でした。

2013年10月14日月曜日

アプリ作成者の悲惨

わが国では、アップルストアだけで月に2万本以上のアプリが登場し、その9割以上がほとんどダウンロードされないまま消えて行くと言われます。

アプリ作成者の悲惨です!
作成者はどんなに悲惨でも、アップルストアはニコニコ!

なぜ、こんな事が起きるのか?
「それが資本主義」だからです。

なぜ資本主義だと、こんな事が起きるのか?
「ビジネス書を読み過ぎる」からです。

なぜビジネス書を読み過ぎると、こんな事が起きるのか?
「それはね、………」だからです。

飯が食える人は、上の「………」で飯を食っているので、普通は他人に「………」を教えることは
ないでしょう。

ここが資本主義の面白い所だ! なんて極めて少数者を相手に話すことがある最近の迷物講師です。

2013年10月13日日曜日

迷物

今日のお題「迷物」という日本語スラングは、わが国を代表する国語辞典(広辞苑)には載ってません。
「めいぶつ」は「名物」しか掲載されてないです。

でも、グーグルの辞書には載ってます。
以前はグーグルでも、「迷」と「物」が分けて認識されてましたが、現在は「迷物」が一語としてチャントと認識されます。

その功績は、私にあるのかも…。
ちなみに、グーグルの辞書に「宅建」はなく、「宅」と「建」が分けて認識されるのです。
お馬鹿さんのグーグルは、関係者の間では超有名な「宅建」という日本語スラングをまだ知らないという事ですね。
もしかしたらグーグル上、「宅建」より「迷物」の方が重要視されてるのかも (ガッハッハ)!

※ 参考
グーグルでの「迷物」の検索結果

なんてクダラナイ自慢してますが、いよいよ来週の日曜が待ちに待った本試験日!
今さらガタガタ言っても逆効果の危険性大なので、試験が終わるまで、勉強法的な事書くのはやめようと思ってる、1週間前の朝でした。

2013年10月9日水曜日

詰め込み勉強について

更新:平成28年10月13日

私は常に、自分の見聞きしたもの、経験したものを元に情報を発信してます。
またその情報は、受け手の「8割に役に立つか」を基準に発しています。

以上を前提に、きょうは詰め込み勉強」(≒大量の丸暗記)について、思うところを述べます。

(1)原則論 - 8割以上の学習者に妥当


私は、詰め込み勉強を否定する講師じゃないです。
むしろ、詰め込めれば大したもんだ!と思ってます。

どんな学校でも、詰め込み勉強を正面から肯定する先生はいません。
その理由を聞くと、詰め込み勉強には、
 ・ 応用が効かなくなる
 ・ 積極性が育たない
 ・ すぐ忘れる
等の弊害があるからだと言います。

今の教育で、上のような弊害が生じている点については、私も同感です。

しかし、
 ・ 応用が効かなくなる
 ・ 積極性が育たない
 ・ すぐ忘れる
等の弊害を生じさせている犯人が果たして「詰め込み勉強」か?、となると私は大いに疑問を感じます。

私は、
 ・ 応用が効かなくなる
 ・ 積極性が育たない
 ・ すぐ忘れる
のは、詰め込み勉強が犯人なのではなく、8割以上の学習者の詰め込めていない現実そのものだ、と考えています。

その意味で私は、詰め込み勉強を否定する講師じゃなく、むしろ、「詰め込めれば大したもんだ!」と思っているワケです。

(2)例外論 - 2割未満の学習者に妥当


8割以上の学習者に「詰め込めていない現実」が有るとしても、残り2割未満の学習者には詰め込めている現実が有ります。
これは長年宅建講師をやってきた経験値とも合致します。また、大学の教員をやっているうちの奥さんとの共通認識でも有ります。

そういう2割未満の少数者には、こちらが「ガンガン詰め込んでも」、
 ・ 応用が効く
 ・ 積極性が育つ
 ・ すぐには忘れない
という好結果をもたらしてくれます。

なぜそうなるか?

それは勉強というのは、どんな勉強でも、自分がするものだからです。
すべての教材(講師・テキスト・音声教材・動画)は、学習者の「お手伝いさん」に過ぎません。

どんな勉強でも、自分がするものなので、学習者自身の認知構造(過去から積み上げられてきた知識)の違いが、
 ・ 応用が効く
 ・ 積極性が育つ
 ・ すぐには忘れない
という好結果をもらすかどうかの、最大のポイントになります。

認知構造(過去から積み上げられてきた知識)という単語は、教育心理学的な専門用語なのですが、こんな例をあげると一般の皆さまにもお分かり頂けるかもしれません。

いま皆さまが、高級外車ベンツの新車カタログを見ているとします。

自動車なんかには興味がなく、運転免許さえ持っていない人には、その新車カタログからは、ベンツに関する情報は全然インプットされないでしょう。

デザイン関係の仕事をしてきた人には、その新車カタログからは、ベンツのデザインに関する情報がインプットされやすいでしょう。

自動者関係の仕事をしてきた人には、その新車カタログからは、ベンツのメカニックや装備に関する情報がインプットされやすいでしょう。

このように、同じベンツの新車カタログなのに、そこから得られる情報が違ってくるのを、認知構造の違いというのです。

ま、認知構造の違いによって、好結果をもたらす学習者は、宅建や大学の勉強では2割未満の少数者に過ぎないという事です。

残り8割以上の多数者は、認知構造(過去から積み上げられてきた知識)が宅建試験の出題科目と噛み合わないために、「詰め込めていない現実」にさらされていて、結果、
 ・ 応用が効かなくなる
 ・ 積極性が育たない
 ・ すぐ忘れる
という悲惨を突きつけられる、という事です。

(3)打開策


(イ)2割未満の学習者に妥当


御自分の認知構造(過去から積み上げられてきた知識)が、宅建試験の出題科目と噛み合うと感じるかたは、ガンガン詰め込んで下さい。

まだ余裕がある時期でも直前期でも、「ガンガン詰め込んで」下さい。

私はこのタイプでした。

(ロ)8割以上の学習者に妥当


現時点で、御自分の認知構造(過去から積み上げられてきた知識)が、宅建試験の出題科目とどうも噛み合わないと感じるかたは、ただの1時間も詰め込もうと考えちゃ絶対にダメです。

「詰め込もう」と考えれば考えるほど、本試験では、
 ・ 応用が効かなくなる
 ・ 受け身思考で撃沈
 ・ すぐ忘れる恐怖を本試験会場まで持ち込む
等の弊害が出やすいです。

そうじゃなく、今まで勉強してきた知識が少なくてもいいから、それらを理解しようと努力して下さい。
8割以上の学習者に妥当するキーワードは、理解です!

御自分の過去から積み上げてきた知識(認知構造)が、宅建試験の出題科目と噛み合うと少しでも感じられるように、自分勝手なデタラメなイメージでいいので、理解するようにするんです。

民法の抵当権を勉強するんだったら、抵当権は金貸しに配慮した制度なので、御自分が嫌いな銀行の担当者を抵当権者としてイメージし、貸しはがしされる隣の好きなおじさん(抵当権設定者)をかわいそうな人に仕立てて、物語を作りながら勉強するんです。

これが「理解」です。

この物語は、独学でやるなら、本当に自分勝手なデタラメなイメージでいいんです!

2013年10月8日火曜日

通信教育業者の新コスト・カット法

人は誰でも、自分の見聞きしたもの、経験したものでしか物を語れません。

そこで今回は、自分自身もそうである宅建の通信教育業者に限定して、彼らが現在、どのようなコスト・カット法を新たに編み出しているか? について語ります。

(1)旧コスト・カット法


※ 参考
会計学の大原則は、 売上 - 費用 = 利益 です。

デフレから脱却したとは言えない現状では、「費用を抑える」(つまりコスト・カットする)事でしか、利益を出せません。売上を増やす事で利益を出すのは、まず不可能です。

この場合、人件費を削るのは、相手(従業員)が人間であることから、社会的な批判も多く、限界になってます。

人件費の削減は、もはや古いコスト・カット法なのです。

(2)新コスト・カット法


されば、社会的批判のないコスト・カット法を編み出すのが急務であり、それを編み出せなければ通信教育業界では生き残っていけないと経営者が考えるのは、けだし当然なのかも…。

社会的批判のないコスト・カット法 - その1


ここ数年目立ってきたのが、「目に見える教材の量を減らす」コスト・カット法です。
このような新コスト・カット法を採用する所は、例外なく、「こんな薄いテキストだからこそ合格しやすいのです!」 みたいな宣伝をします。

でも、宅建のテキストは厚い方が良いと思っている受験者も相当いるみたいなので、「目に見える教材の量を減らす」コスト・カット法が成功するかは未知数です。


社会的批判のないコスト・カット法 - その2


能力のある経営者は、「目に見える教材の量を減らす」コスト・カット法が失敗に終わった時の保険を、すでに掛けています。

その保険とは、「目に見えない教材を自動化する」コスト・カット法です。

通信教育で一番手間が掛かるのは、受講者の質問に対する回答作業ですが、その回答作業は第三者の目には決して見えません。
そんなのは、受講者と回答者の二人だけにしか分からないのです。

どうせ受講者は法律の素人なので、適当にあしらっちゃえば、社会的に批判されることもないだろうという考えが、経営者を誘惑します。

それならこの回答作業を、「自動化してしまおう」となります。

つまり、テキスト40ページ3行目に関する質問には「こういう回答」、テキスト154ページ15行目に関する質問には「こういう回答」というように、コンピュータに覚えさせておき、質問があるごとに、金太郎飴回答(同じ回答)を送っておけば、だいぶコスト・カットになるじゃないか、という悪魔のささやきです。

関係者の間では、以前はeラーニング教材がこの「自動化してしまおう式」コスト・カット法を使っていることで有名でした。

でも今は、受講者一人一人と講師との人間的なコミュニケーションを宣伝している通信教育業者にも広く取り入れられています。

今回の記事は、ネット隆盛以前に"一生の蓄えを作った"ので、費用なんか何も抑える必要がない迷物講師だからこそ書けた、と思って下さると幸いです。

2013年10月6日日曜日

実質的な理由を探る勉強をしよう

(1)イントロ


理由のない結論は無い!

私は学校の先生や親にそう言われて育ち、これは、現代科学が教えるところでも有ります。
ここまでで異論のあるかたは、いないと思います。

ところで、理由には、
 ・ 形式的な理由
 ・ 実質的な理由
があり、日本人の8割が、形式的な理由で満足しているように思えてなりません。
何事につけても…。

今回は、そのあたりにメスを入れつつ、短期合格につなげていけたらいいな、と考えています。

(2)問題 - その1


(問題)
美輪明宏は女性である。

(解説)
美輪明宏は男性である。
したがって、本問は誤りである。
  
この解説は、
【理由】
… 美輪明宏は男性である。
【結論】
… したがって、本問は誤りである。

というスタイルですが、上のような理由を「形式的な理由」といいます。
なぜ、美輪明宏が男性かについて、実質的な事に全然触れていないからです。

何事につけても、このような「形式的な理由」で満足していたら、人生、本当につまらないと思います。
こういうのに満足してしまうようじゃ、政府のウソはおろか週刊誌のウソさえ見破れません。
ウソが見破れない人は、一生誰かにミツグことにもなりかねません。
これじゃ、一度しかない人生モッタイないです。

(3)問題 - その1 - 迷物講師の解説


私なら、この問題に対しては、【実質的な理由】を加えますね。
下のような感じです。

(問題)
美輪明宏は女性である。

(解説)
【実質的な理由】
… 美輪明宏(本名:丸山明宏)の戸籍を調べたら、男性である旨の記載があった。
また、美輪明宏の出身校国立音楽大学附属高校の後輩A氏(迷物講師の友人)は、男性である旨の証言をしている。
【結論】
… したがって、本問は誤りである。

上の【実質的な理由】には、なぜ、美輪明宏が男性かについて、実質的な事にちゃんと触れています。

(4)問題 - その2


(問題)
宅建業者Aは、物件の買主が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した。Aは、宅建業法に違反する。[平成24年度問41事例ウ改題]

(解説)
売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引することは、宅建業法に違反しない。
したがって、本問は誤りである。
  
この解説は、
【理由】
… 売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引することは、宅建業法に違反しない。
【結論】
… したがって、本問は誤りである。

というスタイルですが、この理由も美輪明宏の問題と同じで、「形式的な理由」ですね。
なぜ、代金を引き下げて契約の締結を誘引することが宅建業法に違反しないかについて、実質的な事に全然触れていないからです。

わが宅建試験業界の教材って、残念ながら、こういう「形式的な理由」にしか触れていないものって、結構多いんですよ。本もCDも動画も。

皆さまは、このような「形式的な理由」で満足しますか?
こういうのに満足してしまうようじゃ、予備校の大げさな宣伝はおろか親切そうに近づいてくる関係者の甘い言葉にさえ乗せられやすいです。
これじゃ、大切な時間を切りさいての苦労がモッタイないですよね。

※ 関連記事 宅建の過去問解説の不思議


(5)問題 - その2 - 迷物講師の解説


私なら、この問題に対しても、【実質的な理由】を加えますね。
下のような感じです。

(問題)
宅建業者Aは、物件の買主が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した。Aは、宅建業法に違反する。[平成24年度問41事例ウ改題]

(解説)
【実質的な理由】
… 本問は、「手付貸与等による契約締結の誘引禁止」規定に違反するように見えるが、チョット違う。手付貸与等による契約締結の誘引は、お客さんに、宅建業者に対する「借金が残る」から禁止されるのだ。しかし本問は、売買代金を引き下げて、契約の締結を誘引したに過ぎず、これは単なる値引きであり、お客さんに、宅建業者に対する「借金など残らない」ので、禁止する理由はない。
【結論】 
… したがって、本問は誤りである。

上の【実質的な理由】には、なぜ、代金を引き下げて契約の締結を誘引することが宅建業法に違反しないかについて、実質的な事にちゃんと触れています。

そうです。
代金を引き下げて契約の締結を誘引することが宅建業法に違反しないのは、お客さんに、宅建業者に対する「借金など残らない」からです。こんなのは単なる値引きです。宅建業法は、お客さんに「借金が残る」スタイルの契約締結の誘引(誘い込み) = 典型:「手付貸してあげるから早くハンコ押して」 = だけを禁止しているんですね。

お客さんが、「手付貸してあげるから早くハンコ押して」っていう悪徳業者の誘いに乗ったら、結構ヤバイことになります。後で良く考えて、その物件をクーリング・オフ出来たとしても、業者から借りた手付金相当額は民法の金銭消費貸借契約上の債務なので、その分の借金は残り続けることになります。

そういう悲惨な事が起きないように宅建業法が用意した制度が、どんな参考書にも書いてある「手付貸与等による契約締結の誘引禁止」の規定なんですね。

(6)結論


実質的な理由を探る勉強の大切さを理解して頂けたら、うれしいです。

せっかくのチャンスなので、宅建試験でこういう実質的な理由を探る訓練をしておくと、これからの人生、もっともっと面白くなりますよ!

実質的な理由を探るクセが付くと、宅建に短期合格しやすいのはもちろん、それを超えた人生の面白さを皆さまにもたらしてくれるかも…です!

2013年10月5日土曜日

借地借家法の基本

直前期になっても、借地借家法に自信が持てないかたが案外いらっしゃるようですね。
一般受験者を対象にした電話相談で、改めて感じました。

そこで今回は、間に合う人が10名でもいいから出てくれる事を期待して、
 ・ すべての法律の『根幹』(原則) … その条文が作られた背景・理由
 ・ すべての法律の『枝葉』(例外) … 『根幹』の逆転部分
という観点から、借地借家法の基本を書いてみます。

なお、私が上の観点を持ち出した理由が分からないかたは、先に、前回の記事を読んでみて下さい。


(1)実は、借地借家法全部が『枝葉』(例外)である


迷物講師が「借地借家法全部が『枝葉』(例外)である」なんて悪口言うなら、皆さまは、「そんなら、借地借家法の『根幹』は何だよ!教えてみろ!」と思うでしょ?

じゃ、教えてやるよ、良く聞いておけ!(笑)

借地借家法の『根幹』(原則)は、民法(明治29年4月27日法律第89号)にあります。
民法が作られた背景・理由は、「全国民の自由と平等を守る」です。

その歴史的背景は、1789年のフランス革命にあったと学者は言います。
封建時代の制限だらけの社会(不自由と不平等の社会)を革命によって変えたのですから、民法が作られた背景・理由が「全国民の自由と平等を守る」になったのは、理にかなっています。

やがて時代は20世紀になります。
現在のドイツの中にワイマール共和国というラント(小国)があって、ワイマール憲法というのが1919年に制定されました。

このワイマール憲法が、世界で初めて社会権という権利を定めました。

近代社会の『根幹』(原則)が、「全国民の自由と平等を守る」ことだと声高に叫んでみても、良く考えてみると、「自由と平等は矛盾する言葉」だとワイマールさんは気づいたのです。

だって、自由を無制限に認めると、金持ちはさらに金持ちになれます。
逆に、貧乏人はいつまでも貧乏のままだから、不平等が助長されちゃいますもんね。

そんなワケで、自由もいいけど、平等との調和を図るために、貧乏人にも配慮しようよ!となったのです。簡単に言えば、これが社会権です。

ちょっと遅れてわが国でも、社会権的な発想を取り入れる法律が出来ました。
時あたかも大正デモクラシーの頃です。中学か高校で習いましたよね。

その法律が、
 ・ 旧借地法(大正10年4月8日法律第49号)
 ・ 旧借家法(大正10年4月8日法律第50号)
です。この2本の法律が、平成3年に1本に統合されて(平成3年10月4日法律第90号)、いま皆さまが勉強している借地借家法になりました。

以上をまとめると、
 ・ 借地借家法の『根幹』(原則) … 全国民の自由と平等を守る  (民法の条文)
 ・ 借地借家法の『枝葉』(例外) … 貧乏人にも配慮しようよ!(借地借家法の全条文)
となります。

つまり、民法が作られた背景・理由である「全国民の自由と平等を守る」は、自由もいいけど、平等との調和を図るために、貧乏人にも配慮しようよ!という借地借家法によって、『根幹』が逆転してしまったのです。


(2)貧乏人にも配慮しようよ! の意味 


借地借家法では、土地を借りる人・建物を借りる人は貧乏人、逆に、土地を貸す人・建物を貸す人は金持ちです。

現実社会では完全には当てはまりませんが、借地借家法では、
 ・ 「借りる人=貧乏人」
 ・ 「貸 す 人=金持ち」
とシンプルに考えないとダメです。

借地借家法は、貸す人(金持ち)よりも借りる人(貧乏人)に配慮する法律です。


(3)貧乏人への配慮のしかた


借地借家法が貧乏人に配慮する法律だとは言っても、どんな場合でも貧乏人を助けてくれるわけじゃないです。

例えば、もともと貧乏なAさんが会社をリストラされて、もっと貧乏になっちゃったので「家賃の支払をチョット待って!」なんて懇願しても、「甘えるんじゃねえー」と借地借家法では助けてくれません。

なぜならば、借地借家法の『根幹』(原則)は、全国民の自由と平等を守る民法の条文にあり、民法では貸す人(金持ち)の自由(家賃をもらえる自由)も平等に保護しているからです。

じゃ、どういう場合に借地借家法が貧乏人に配慮するかと言えば、その配慮は一つしかないです。

それは、
 借りる人(貧乏人)が、なるべく長く借りられるようにする
配慮だけなんですね。

(4)具体例


借地借家法が配慮するのは … 借りる人(貧乏人)が、なるべく長く借りられるようにする … だけ。 
ここが借地借家法の基本であり、それ以上でもそれ未満でもないです。

宅建の借地借家法では、基本だけ出したのでは簡単すぎてすぐネタ切れになっちゃうので、上の基本を知っていることを大前提に、応用問題(具体例)が聞かれるのが常です。

具体例 - その1


借地の場合、当事者は、30年以上の範囲で、借地契約の存続期間を定めることができます。
もし、30年未満の存続期間を定めてしまった場合には、その存続期間の定めは無効となり、存続期間は30年に延長されます。
だから例えば、25年の存続期間で借地権を定めても、30年経過するまで、その借地権は消滅しません。
参照条文:借地借家法3条


どうですか?
借りる人(貧乏人)が、なるべく長く借りられるように 配慮されているでしょ? 

もし借地借家法が無かったと仮定すると、エライ事になります。
借地借家法の『根幹』(原則) である民法では…

当事者は、20年以下の範囲で、存続期間を定めることができます。
もし、20年を超える存続期間を定めてしまった場合には、その存続期間の定めは無効となり、存続期間は20年に短縮されます。
参照条文:民法604条

民法では、貸す人(金持ち)の自由(先祖伝来の土地を早く返してもらえる自由)も平等に保護しているので、
… 借りる人(貧乏人)が、あまり長く借りられないように … なっているんですね。

具体例 - その2


ここでは、平成24年度の本試験問題を使います。

(問題)
仮設建物を建築するために土地を一時使用として1年間賃借し、借地権の存続期間が満了した場合には、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るように請求することができる。[平成24年度/2012年度/問11(4)]

借地借家法が配慮するのは 借りる人(貧乏人)が、なるべく長く借りられるようにする だけです。

そうなると本問の場合は、借りる人(貧乏人)を保護する必要がないです。
だって、借りる人(借地権者)は「一時使用」のつもりで賃借しているだけでしょ。
初めから、長く借りられることなんか期待してないんですね。

ということは、借地借家法が 借りる人(貧乏人)が、なるべく長く借りられるように なんて配慮してあげる必要も無いわけです。

そこで借地借家法は25条
「(前略)…13条の規定(筆者注:建物買取請求権)は…(中略)…臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない。」
なんていう条文を置いています。

だからこの(問題)は、誤りの肢となります。

※ 建物買取請求権 
借地権の存続期間が満了した場合に、契約の更新がないときは、借地権者が、借地権設定者に対し、建物等を時価で買い取ってくれと請求できる権利。
建物買取請求権を行使された借地権設定者(金持ち)は、「そんなボロい建物買わされるくらいなら、もう一度契約を更新しよう!」となりやすく、結果、借地権者(貧乏人)が、なるべく長く借りられるようになることをねらった制度。
建物買取請求権を定めた借地借家法13条1項の原文


(5)電話相談で改めて感じたこと


独学者も予備校利用者も、民法の賃貸借の定めと借地借家法の定めとを、別々の並列したものと初めから考えているかたが多いです。
そのくせ、細かい事にはやたら詳しいかたが目立ちます。

そうじゃないんですよ! 繰り返しになりますが、
 ・ 借地借家法の『根幹』(原則) … 全国民の自由と平等を守る  (民法の条文)
 ・ 借地借家法の『枝葉』(例外) … 貧乏人にも配慮しようよ!(借地借家法の全条文)
であり、民法の賃貸借の定めと借地借家法の定めとは、別々の並列したものじゃないんです。

ここ(幹や根)がしっかりしていれば、枝葉が枯れても、木はみごと再生・復活するがごとく、後が早いですよ! と今日は言いたかったのです。

建物でも、土台が腐っていたら、上にどんな良い設備等(高額な講座)を増築しても、やがては丸ごと倒壊(宅建受験の断念!)です。それでも運が良ければ、倒壊しないうちに合格しますが…。

責任の半分は、私たち受験業界が提供する講座・教材等にあるのでしょう。
今日の記事は、私がCDでしゃべれば10分で終わる所を、罪滅ぼしの意味も込めて、読み物にしてみた次第です。











2013年10月4日金曜日

このまま覚えるしかないの?

法令上の制限を丸暗記科目と考えている宅建受験者の皆さまが、無間地獄に落ちないために、今回の記事を書きます。
前回と同様、農地法の問題を材料にします。


(1)平成16年度問24肢4


(問題文)
民事調停法による農事調停により農地の所有権を取得する場合には、農地法第3条の許可を受ける必要はない。

(迷物講師の解説)
正しい。
農地の所有権を取得する行為は、農地の権利移動に当たる。そして、農地の権利移動には3条許可を必要とするのが原則だ。ただし、民事調停法による農事調停により取得する場合には、3条許可が不要だ。裁判所の目が通っているので、農家の耕作権をむやみに侵害するとは言えないからだ。

(2)無間地獄に落ちないために


今回の農地法3条では、上の赤い字で書いた部分が、無間地獄に落ちないためのキーワード(森に生えている木に例えると、 『根・幹(みき)』と『枝葉』)を全部含んでいます。
ここ極めて重要!

裁判所の目が通っているので、農家の耕作権をむやみに侵害するとは言えない
という言葉ですね。

言い方換えると、こんなキーワードさえ知らないで、問題数だけをいくらこなしても、本当の意味での合格の保証はないです。キリがない無間地獄に落ちる危険性大です。

さらに換言すると、何事も基本が大事とは、農地法3条で言えば、
裁判所の目が通っているので、農家の耕作権をむやみに侵害するとは言えない
という言葉に集約されることが多いのです。

(3)農地法3条の『根』と『幹』


難しいことはないので、ちゃんと読んでやって下さい。

すべての法律の『根』や『幹』というのは、その条文が作られた背景・理由です。
農地法3条なんて変な条文、なぜ国会が作った(立法した)の? という素朴な疑問ですね。

答は、農家の耕作権の保護です。
もっと噛み砕けば、耕作者の地位の安定。
さらに言えば、安定的な農業経営のため!

そういう「安定的な農業経営のため」に、農地等を耕作目的で権利移動(典型は売買や賃貸借)するには、農業委員会の許可を受けてね! っていうのが農地法3条なのです。

※ 農業委員会
… 農業関係の処理に当たる行政委員会の一つで、原則として市町村単位で置かれる公的機関

(4)農地法3条の『枝葉』


農地法3条の『根』と『幹』は、安定的な農業経営のため!でしたね。
ということは、「逆も真なり!という発想」が不可欠です。
ここも極めて重要!

つまり、安定的な農業経営のために3条許可があるのなら、安定的な農業経営に心配ないなら3条許可なんて不要じゃん! っていう逆転の発想です。

何の事はない。実に簡単過ぎてつまらない事なんですが…。
安定的な農業経営のために3条許可があるのなら、安定的な農業経営に心配ないなら3条許可なんて不要じゃん! っていう逆転の部分が枝葉なんです。 逆転の部分が例外』『特例と言っても同じです。

簡単でしょ?
簡単じゃない人は、逆転の部分(『枝葉』)だけを先に丸暗記しちゃうからです!

こういう逆転の発想が出来る人を、私はスジがいい! とか法律的センスがある! とよんでます。
でも、そんな大げさな事言う必要ないかもです。
小学生でも出来そうな当たり前の発想がスジがいい!という意味。意外とシンプルなんですよ!

(5)お上は悪いことをしない!


現実社会はともかく、法律の世界では、お上(公的な機関)は絶対に悪いことをしません

農地法3条で考えても、お上が「安定的な農業経営を邪魔してやろう」、なんていう行動をすることは絶対にないです。

本日の(問題文)に書いてある「民事調停法による農事調停」なんていう言葉なんか知らなくても、「調停」という単語を見ただけで、離婚調停なんかと同様に、何か裁判所が関与してくる制度だな!って想像つく人が大多数でしょう。

その通りなんです。調停にタッチするのは裁判所であり、裁判所は絶対に悪いことをしません。

だから、裁判所が「安定的な農業経営を邪魔してやろう」、なんていう行動(調停)をすることは絶対にないんですね。

そうなると、「安定的な農業経営に心配ないなら3条許可なんて不要じゃん!」という発想が誰でも出来るようになります。
結果、平成16年度問24肢4は「正しい」という私の解説も、スジがいい!と理解できるのです(笑)。

(6)復習


平成16年度問24肢4は
(問題文)
民事調停法による農事調停により農地の所有権を取得する場合には、農地法第3条の許可を受ける必要はない。

(迷物講師の解説)
正しい。
農地の所有権を取得する行為は、農地の権利移動に当たる。そして、農地の権利移動には3条許可を必要とするのが原則だ。ただし、民事調停法による農事調停により取得する場合には、3条許可が不要だ。裁判所の目が通っているので、農家の耕作権をむやみに侵害するとは言えないからだ。

です。

上の解説で、
裁判所の目が通っているので、農家の耕作権をむやみに侵害するとは言えない
という言葉に、農地法3条の 『根・幹』と『枝葉』の全部が入っていることまで分かって頂けたら、幸いです。

(7)蛇足


ここまでお分かり頂けたら、スジがいい! 宅建の勉強ができるでしょう。

そして、「私が使っている参考書には平成16年度問24肢4が全然書いてないので、迷物講師の解説を『このまま覚えるしかないの?』」、なんていう質問も全然頂かなくて済むような理想郷になる、と思ってるのですが…。

法令上の制限に属する、農地法・都市計画法・建築基準法・国土利用計画法・宅地造成等規制法・土地区画整理法は、全部、このようなスジがいい! 勉強をして下さいね!
どこかの予備校や講師が言うのと違い、法令上の制限は、丸暗記科目じゃないですよ!


すでにスジがいい!勉強をしているかたへ!
今日書いた話は、農地法第3条第1項10号に載っています。





2013年9月29日日曜日

法律の勉強は、原則と例外の区別が命

法律の勉強は、原則と例外(=特例)の区別が命! といっても過言じゃないです。
今日は、それを徹底的に理解して頂いて、1点でも無駄にしないため、例題を使って説明します。

例題


(問題文)
市街化区域内の農地に住宅を建設する目的で所有権を取得する場合には、農地法第5条の都道府県知事又は農林水産大臣の許可を受ける必要がある。

例題に対する私の解説


(解説文)
正しい。本肢は農地を転用目的で権利移動する(農地に住宅を建設する目的で所有権を取得する)ので、5条許可を必要とする。そして、5条許可を受ける先は、原則は知事、同一の事業の目的に供するための4ヘクタールを超える農地の場合は農林水産大臣だ。

私の解説に対する御意見 - その1


市街化区域内の特例で、「あらかじめ農業委員会に届出をすれば」5条許可が不要になるので、迷物講師の解説は間違っているのではないか?

つまり、農地が市街化区域内に存在するこの問題では、そもそも5条許可が不要なのではないか?

私の解説に対する御意見 - その2


市街化区域内の特例で、「あらかじめ農業委員会に届出をすれば」5条許可が不要になるので、問題文を書き換えたらどうか?

例えば、農地が「市街化調整区域内」に存在するように書き換えれば、迷物講師の解説が納得できるのだが…。

上の2つの御意見は、2つともブーブー!


「あらかじめ農業委員会に届出をすれば」5条許可が不要になる、という市街化区域内の特例は、その名が示すように、あくまでも『特例』ですよ!

『特例』は『例外』と同じ意味。

そして『特例』や『例外』は、『原則』の反対語(対義語)です。

法律というのはですね、農地法に限らず、すべての法律で、
 ・ 『原則』を当てはめて解決するなら、『特例』や『例外』を持ち出しちゃダメ
っていう不文律(暗黙の了解)があるのです。
ここ極めて重要!

今日の例題は、農地法5条だけど、農地法5条の『原則』っていうのは…

全国どこでも、農地を転用目的で権利移動する(農地に住宅を建設する目的で所有権を取得する)ときは、5条許可を受けてね!です。

ここまで理解できたら、あとは簡単。

全国どこでも、農地を転用目的で権利移動するときは、5条許可を受けてね!なんだから…

…市街化区域内の農地に住宅を建設する目的で所有権を取得する場合には、農地法第5条の都道府県知事又は農林水産大臣の許可を受ける必要がある…

と書いてある今日の例題は、場所なんか考えないで、農地法5条の『原則』を当てはめるだけで解決しちゃいます。だって、「あらかじめ農業委員会に届出をした」なんて、どこにも書いてないんだから…。

今日の例題の主人公は、「お前は5条許可を受けろ!」と言われてオシマイ!

あとは、5条許可を受ける先は、原則知事、4ヘクタールを超える農地の場合は農水大臣という別知識をチョット当てはめて、一件落着です。

だから、私の(解説文)には、

…正しい。本肢は農地を転用目的で権利移動する(農地に住宅を建設する目的で所有権を取得する)ので、5条許可を必要とする。そして、5条許可を受ける先は、原則は知事、同一の事業の目的に供するための4ヘクタールを超える農地の場合は農林水産大臣だ…
って書いてあるのです。

今日のブログを書いた理由


今日とりあげた例題は、迷物講師の模試[一般無料模試編]の【問 22】肢4の問題なんですが、ここに関する御意見がここ3~4日の間に20件以上来ちゃいました。

この【問 22】肢4は平成16年度本試験【問 24】が出典で、それをチョットひねった問題です。

この私の「ひねり」が、原則と例外(特例)の区別を徹底的に理解して頂く材料としては最適だと前から判っていたので、今年も使ってみたら、大量の御意見!

まあ、上の御意見-その1-その2に関するメールや電話がスタッフ doremi や私の所に来るわ来るわ! で手に負えなくなっちゃったのです。

それで急遽、今日のブログを書いて、今後頂くかもしれない、ここに関する御意見に対しては、ここを紹介することで、宅建倶楽部の回答としたいと考えた次第です。

原則と例外の区別が命


原則と例外(特例)の区別って、本当に命ですから!

森に生えている木に例えると、
 ・ 『原則』は幹(みき)
 ・ 『例外』は枝葉(えだは)
です。

そして農地法5条の
 ・ 幹『原則』  …… 全国どこでも、農地を転用目的で権利移動するときは、許可必要
 ・ 枝葉 『例外』 … 市街化区域内では、農業委員会に事前届出すれば、許可不要
というイメージです。

それにしても、他の予備校は何を教えているのだろう?
枝葉= 『例外』だけ大量に暗記させて、受験者の頭を混乱させちゃダメでしょ!

枝葉末節(しようまっせつ)は後回し! まずは原則(幹)をしっかり押えよう!

幸い、私の有料講座受講者からは、今日書いたような御意見は一件も頂いてません。今のところは…。




2013年9月27日金曜日

迷物講師作「模擬試験」の短所と長所

更新:平成29年10月1日


きょうは、迷物講師作「模擬試験」の短所と長所について書きます。

(1)短所


短所は、会場模試じゃないという点です。

模擬試験は受けるべきですか?受けるとして注意点は?という別ページにも書きましたが、模擬試験を受けることの効用は、
 ・ 試験の雰囲気に慣れることができる
 ・ 本試験での解答方法・時間を訓練できる
の二つだけです。

だから、会場模試じゃないのは、「試験の雰囲気に慣れることができる」という受験者の要請を満たすことが不可能なので、短所になります。

もっとも、その短所を補う方法が無いわけじゃないです。

それは、私が作った模試をPDFファイルで印刷して、公共の図書館など「自宅以外の場所」でやってみることです。

閲覧室のあのシーンとした雰囲気を、宅建試験の受験会場にみたてて、2時間(5問免除者は1時間50分)、ちゃんと時間を計って解いてみるのです。

地理的に、会場受験の模擬試験を受けるのが困難な地域にお住まいのかたには、特にオススメです。

(2)長所


長所は、数え切れないほど有ります(自慢!)。

長所 - その1


本物のタダである

ヤフーやグーグルで「宅建 無料」・「宅建 模試 無料」等と検索しても、有名予備校のサイトに誘導される場合が多く、そこは、何かというと 「すぐお金!」の世界になっちゃいます。でも、検索エンジンにも営業の自由があるので、文句は言えないでしょう。

だけど、私が作った模試は、本物のタダです。

この点は、宅建倶楽部は、メール勧誘・電話勧誘等を一切しませんを読めば分かってくれると思いますが…。


長所 - その2


前年・前々年の傾向を反映している

例えば、平成25年度宅建試験の作成者(試験委員)は27名で、うち17名は2012年度(平成24年度)と同じ人でした。

17名 ÷ 27名 = 約63パーセントが2012年度と同じ人という計算ですが、実質的には80パーセント以上が同じ人、と私は考えています。

民法を担当するであろう弁護士2名が丸っきり同じ人、かつ、宅建業法を担当するであろう国交省の課長は個人名より職名(何々課長か)で判断すべきと思うからです。
そうすると、80パーセント以上が去年と同じ試験委員になります。

平成29年度については、まだ余り具体的な事は言えませんが、上に書いたのと似た傾向にあります。

このように考えてくると、今年模試を公開する以上、前年・前々年の傾向を反映させることは、とても重要だなと思いました。

長所 - その3


出典を明らかにしている

私は20年以上、宅建の模試問題と解説を、全科目一人で作ってきました。

その経験から言えるのは、宅建の模試は、結局は過去問にアレンジを加えたものしか作れないな、ということです。

逆に言うと、迷物講師のオリジナル性を前面に出した問題は作れないな、ということ…。
宅建試験は、表面的には違う問題に見えても、実質的には「過去問の焼き直し」問題が多く出題され、その出来・不出来によって合否が決まると言えるからです。

でもほとんどの予備校は、オリジナル性を強調して模試を宣伝していますね。
この部分は、ハッキリ言って誇大広告です。

オリジナル性を強調する予備校の模試も、結局は、過去問にアレンジを加えたものしか作れないのです。

でも予備校は、この誇大広告がバレないように工夫しています。
予備校の模試の解説集を見れば分かります。
その問題の出典が示されていないのが、ほぼ100パーセントです。

出典なんか示しちゃったら、オリジナル性と矛盾しちゃうのが、誰の目にも明らかだからです。

私の模試の解説集は、ここは正直に、出典を明示しています。
例えば、こちらをクリックしてみて下さい。

最初の【問 1】正解4の下に、出典:平成24年 [問 3]なんて赤い字で明示してありますね。

出典を明らかにし、オリジナル性を強調することをやめ、受験者の皆さまに過度の期待(例:競馬の予想のようにピッタリ当てる)を抱かせないようにしていることも、私の模試の長所だと自負しています。

長所 - その他


長所はもっともっとあるんですが、「説教の効果は長さに反比例する」という故河合隼雄先生の名言もあるので、きょうの記事はもうオシマイにしときます。

皆さま、本試験まで、まだまだ時間がありますが、最後まで気を抜かないで!

2013年9月25日水曜日

2013年直前期に贈る言葉

(1)イントロ


直前期のいま、ネット上では、
 A 最後は気合だ!
 B メンタルを強化しよう!
 C その気になれば◆日で受かる!
等の、励まし言葉が飛び交っていますね。

(2)最後は気合だ!


上の励まし言葉のうち、私が個人的に魅力を感じるのは、の「最後は気合だ!」です。

他の記事で、「最後は気合だ!」なんて抽象的・非科学的だ、と批判したこともありますが、個人的には、やっぱり魅力を感じる励まし言葉です。

理由は、私の原点が営業職だったから…。
しかも、「ドブ板営業」だったからです。

法人営業も経験しましたが、営業の基本は「ドブ板営業」です。
そして、「最後は気合だ!」が「ドブ板営業」の今でも変わらない根本規範(憲法)なんです。

30年以上も前の話ですが、私の「ドブ板営業」のテリトリーは、東京の世田谷区全域でした。
世田谷は太平洋戦争で空襲を受けていないので、今でも、道路が入り組んでいる所が多く、タクシーの運転手さん泣かせの地区です。

それなのに、京王線の千歳烏山から幹線道路を一切使わないで世田谷区役所まで行けるのが、今の私です。それくらいドブ板に影響を受けたのが迷物講師…。

「ドブ板営業」が営業の基本であり、宅建受験者で一番多いのが不動産業にお勤めのかたであることから、最後は気合だ!を直前期に贈る言葉にしたいと思います。

(3)直前期に贈る言葉として、私が採用できないもの


上のイントロで書いた、
 B メンタルを強化しよう!
 C その気になれば◆日で受かる!
の二つは、直前期に贈る言葉として、私が採用するわけには行きません。

理由は、も、資格試験で飯を食っている私のような人間が発した瞬間に、「お金の臭い」を、ネットユーザーに感じ取られてしまうからです。

「メンタル」とか「◆日で受かる」という言葉ほど、受験者への「甘いささやき」はないでしょう。
結果、お金だけ取られてサヨウナラ。
私の正義感にも反する言葉なのです。

(4)不自由を常と思えば、不足なし!


代わりに、徳川家康の言葉を、宅建受験者のかた全員に贈ります。

家康は、「人の一生は、重き荷を背負うて遠き道をゆくがごとし…。不自由を常と思えば、不足なし!」という言葉を遺(のこ)しました。

現代風かつ受験者向けに江戸弁でホンヤクすれば…

人生なんて思い通りにならねえーんだよ。模試の点数が悪いくらいでガタガタ抜かすんじゃねえ。メンタルだとか裏講座だなんて言う前に、黙って勉強しろってんだよ!バカヤロー!

となります。

ゆえに、不自由を常と思えば、不足なし!も直前期に贈る言葉とします。

2013年9月22日日曜日

三連休って何だよ!コンチクショー!

(1)上から目線


世間では、9月は三連休が2回もあることになってます。

 ◆ 1回目
      9/14(土)・9/15(日)・9/16(月…敬老の日)
 ◆ 2回目
      9/21(土)・9/22(日)・9/23(月…秋分の日)
っていうわけですね。

でも私には、「三連休」っていう表現が、どうしても、上から目線だなぁ~と感じてしまうのです。
特に、宅建に見事合格していった先人たちとの関係では…。

(2)合格者には、土日なんか無かった人が大勢いる!


こちらの統計のテキストにも書きましたが、宅建業者のうち、大臣免許は2,132、知事免許は12万1,790です。
大臣免許は、全業者の 1 ~ 2 パーセントに過ぎず、残りの 98 ~ 99パーセントが知事免許業者だ、ということになります(平成24年3月末日現在)。

三井不動産や三菱地所のような旧財閥系の本社にお勤めなら、「三連休が2回もある」のは当然なのかもしれません。

しかし、全業者の 98 ~ 99パーセントを占める知事免許業者にお勤めのかたは、のんきなこと言ってやがる、「三連休って何だよ!コンチクショー!」と思いながら頑張って合格したのだと思います。

これは、他の合格者のかたについても言えているのではないか?
私は、強く感じてます。

こちらのブログにも書きましたが、宅建試験の実施機関が発表した資料によれば(いずれも平成24年度)、
 1. 不動産業が合格者に占める割合…30.3パーセント
 2. 建設関係が合格者に占める割合…10.7パーセント
 3. 金融関係が合格者に占める割合… 9.7パーセント
で、合計すると50.7パーセントになります。
残りの合格者は、他業種(23.6パーセント)・学生・主婦等です。

このうち、41パーセントを占める不動産業(98~99パーセントが知事免許)と建設関係で、「三連休が2回もある」のが当然だった合格者は、ほとんどいなかったでしょう。
建設関係は、震災復興特需等で、土日どころではなかった合格者が結構いたと聞きます。

他業種(23.6パーセント)の中でも、土日どころではない合格者が半分はいたのではないか?
小売・飲食等のサービス業に従事している人が増えている昨今では、的を射ていると思うのですが…。

とにかく、土日なんか無かった人でも大勢が合格しているのです!

(3)「それでは良い週末を…」って何だよ!コンチクショー!


私には、「それでは良い週末を」と題した、平成18年に書いた記事があります。

そこでは、
良い週末」という言葉の背景には、「土曜と日曜は仕事が休み」というニュアンスが含まれています。でも,土日も仕事の人は最近増えています。欧米で行われているのを、ただ直訳したような挨拶。これがチョット変だと気付かない関係者は、多分、お坊ちゃま・お嬢さま育ちなんだろうな。世の中の「下」を見てないぞ!」なんて書きました。

原文はこちら

今でも、金曜の夜になると、テレビのコメンテイターが、「それでは良い週末を」なんて平気で挨拶するのが、全然直ってませんね。

「三連休」も「それでは良い週末を」も、コンチクショー!です。

(4)言い訳


ちょっとだけ言い訳させて下さい。

宅建倶楽部は [土・日・祝日は休業] です。
これはスタッフ全員が親戚だから…。
可愛いスタッフのためなんです。

迷物講師は、宅建に合格していった多くの先人と同様、「三連休」も「それでは良い週末を」も、コンチクショー!と思いながら働いてま~す!

最後に、コンチクショー組の現役受験者の皆さまへ。

「三連休」なんて関係なくても、最後の最後まで諦めるな! 宅建は人生の縮図だ!

2013年9月12日木曜日

【宅地供給量】の統計問題は、平成25年度から出なくなるはず

会計検査院の指摘国交省の政策転換白書等への非掲載という一連の流れによって、私は、【宅地供給量】の統計問題は今年から出なくなると考えてます。

出なくなると考えたので、私が作成した統計問題の最新資料には、無料・有料を問わず、【宅地供給量】を載せていないのです。

以下、もう少し説明してみます。

(1)宅地供給量とは


宅地供給量とは、今までに住宅用地になった履歴のない土地(例:ずっと農地)が、宅地として世の中に供給された量のことです。

今までに住宅用地になった履歴のない土地、というのがポイント!

だから土地長者の皆さまが、すでに住宅用地になっている1万ヘクタールの土地を、どこかの開発会社に供給した(売った)としても、その土地は、宅地供給量にカウントされません。

(2)会計検査院の指摘


我が国で宅地供給に一番貢献して来たのは、独立行政法人「都市再生機構」です。

その都市再生機構は、何十年も前から、「ニュータウン整備事業」を行っていました。
これからも継続するつもりだったようですが、そこに突然、会計検査院(日本国憲法90条が直接定めている、国等の決算を検査する機関)の検査が入りました。

会計検査院は、「このままでは旧公団(都市基盤整備公団)から引き継いだ赤字を含めて、平成30年度までにニュータウン整備事業から3兆1158億円の欠損金が積み上がる!」と指摘しました。


ソースは、会計検査院(平成23年度)のこちらの資料(PDFファイルで3ページ)


(3)国交省の政策転換


この会計検査院の指摘が原因になって、国土交通省は【宅地供給】に関する政策を転換せざるを得なくなったようです。

ひとことで言えば、「量から質への転換」です!

平成24年度国土交通白書のPDFファイル149ページでは、「新規宅地の大量供給を促進する従来の政策を転換し、人口・世帯の動向を踏まえた宅地政策を推進している。具体的には、(独)都市再生機構のニュータウン整備事業では既に着手済みの事業のみを行っている」なんて、言い訳してますけど…(笑)。


このPDFファイルは大容量なので、リンクは張りません。

(4)白書等への非掲載


要するに国交省は、我が国で宅地供給に一番貢献していた都市再生機構の「新しいニュータウン整備事業」は、もうしない! と言ってるんですね。

そうなると、白書等への具体的な数字(激減した数字)の掲載はみっともなくて出来ない! という役人根性が出てきちゃうんですかね?

このような背景があったので、【平成23年度】以降の宅地供給量の数字は、白書等から姿を消すことになりました。

皆さまは、大手予備校の資料を見ても、ネットで拾える資料を見ても、ほぼ全部が…

【平成22年度】の全国の宅地供給量は、前年度より200ヘクタール増加の【4,600ヘクタール】だった。

…的な事が書いてあるのを、不思議には思いませんでしたか?

今年【宅地供給量】が出るなら、【平成23年度】の数字を教える必要があるんですが、大元のお上が白書等に掲載しなくなっちゃったんで、仕方なく、ほとんどの予備校等が、去年の自社の古い教材から引っ張ってきた数字を載せているのです。ご注意下さい。

2013年9月10日火曜日

宅建合格の"法則"はない

(1)メンタル面


 1. 今日を入れないで40日[も]ある。
 2. 今日を入れないで40日[しか]ない。

いま9月10日の夕方ですが、どんな予備校・講師も、
上の1. のように、今日を入れないで40日[]ある、とアドバイスするでしょう。

それはそれで大変結構な事です。
何事も、最後は"楽天的"に考えた人のほうが成功すると思うからです。

(2)具体策は?


じゃ今日を入れないで40日[も]あると"楽天的"に考えたとして、皆さまは残り40日、直前期に効果のある具体策をお持ちですか?

"最後は気合だ!" なんて考えているかたが、結構多いのではないでしょうか。

でも、そう考えているとしたら、あまりにも抽象的・非科学的であり、失敗する確率が高いと思いますよ!

受験者の半数は、「死にもの狂い」で勉強して試験に臨みます。
それなのに、「死にもの狂い」組の3分の2は、残念な結果に終わってしまうのです。
これは長い講師歴からの経験則です。

その主な原因は、「死にもの狂い」が実は御自分の判断(主観)に過ぎず、世の中の人も認める「死にもの狂い」(客観)とはズレているからです。

もっと具体的・科学的な「死にもの狂い」じゃないと、ホント成功の確率は低いですから…。

(3)宅建合格に"法則"はない


法則」というのは、例えば東京都では明日何時何分になれば必ず太陽が昇り夜が明けるという風に、誰が観察しても、その通りになる「決まり事」のことです。

私は「そうは思わない」なんて、主観を入れる余地が全然ないのが法則です。

そこで、この「法則」性ということを、宅建受験者と宅建講師に置き換えて考えてみます。

 ・ Aさんは、甲宅建講師だけを信じて合格した(他の講師は完全に無視した)
 ・ Bさんは、乙宅建講師だけを信じて合格した(他の講師は完全に無視した)

このAさんもBさんも、現実に存在した受験者であり、事実です。

 ・ Aさんは、甲宅建講師だけを信じて合格した(他の講師は完全に無視した)
 ・ Bさんは、乙宅建講師だけを信じて合格した(他の講師は完全に無視した)

という場合、甲宅建講師も乙宅建講師も、ウソをついてないです。

じゃ皆さまは、そこに、明日何時何分になれば必ず太陽が昇るというような「法則」性を感じ取ることが出来るでしょうか?

出来ませんよね!
だから、宅建合格には法則がないのです。

(4)世界経済は法則性がない事によって回っている


ここで急に話が大きくなりますが、世界経済は法則性がない事によって回っています。

新聞の株式欄に載っている上場企業の製品も、宅建倶楽部のような家族的企業の製品も、法則性がないから売れるのです。売れるから従業員に給料を払うことができ、世の中にお金が循環して、この記事をご覧の皆さま全員が飯を食えてるわけですね。

もう一度話を小さくして、宅建受験者と宅建講師に置き換えてみると、

 ・ Aさんは、甲宅建講師だけを信じて合格した(他の講師は完全に無視した)
 ・ Bさんは、乙宅建講師だけを信じて合格した(他の講師は完全に無視した)

AさんもBさんも、現実に存在した受験者です。
甲宅建講師も乙宅建講師も、ウソをついてないです。

としても、そこには、絶対に法則性がないです!

そうなると、甲宅建講師や乙宅建講師が、自分を信じたから90パーセントも合格したんですよ! なんて宣伝すればするほど、甲講師や乙講師の預金通帳の残高は、どこかの誰かに吸い取られて、どんどん減っちゃうなんていう悲惨な事になります。ネットユーザーは皆さまお利口さんですから…。

以上、一生懸命キーボードを叩いて来ましたが、そんな事、いまさら迷物講師ごときに言われなくたって”知ってるワイ!”というかたには、大変失礼致しました。

(5)宅建合格に"法則"はないけれど…


じゃお詫びのしるしに、法則性はないけれど、宅建を受験する半分くらいのかたには、特に直前期に役に立つ別記事を今日アップしましたので、それにリンクを張っておきますね。 オススメの宅建試験対策 - 特に直前期 という記事です。

それにしても、うちの娘やスタッフどもは、元が修復不可能と思われる色黒美人だったから被害に遭わなかったですが、カネボウ化粧品の「何とか美白」問題、厚労省や消費者庁は、もっと事前対策出来なかったんですかねぇ~?

いくら"世界経済は法則性がない事によって回っている"とは言っても、あまりにもヒドすぎる。
お上が「ほえない番犬」に成り下がっちゃダメでしょ!

"女性に嫌われない"のが人気商売のコツ

(1)男女別申込者数


宅建試験の申込者数を男女別に表わすと、
 ◆男性…17万4千人
 ◆女性…  6万3千人
です(百の位を四捨五入、いずれも平成24年度の数字)。

今年は平成24年度より申込者が1,762人減ってます(ネットで拡散してる速報値と少し違います)が、申込者の男女別人数は、上記と大差ないと見ていいでしょう。

要は、最近の申込者数の割合は、
 ◆男性…73パーセント
 ◆女性…27パーセント
ということです。

女性の申込者は、全体の3割にも満たないですね。

(2)やっぱり"女性に嫌われない"のが人気商売のコツ


話変わって、今から8年前に書いたブログに、わたし,あのひと,生理的に嫌い というのがあります。

そこでは、「…私の有料講座・教材購入者は,いつも,女性が半分を占めています。50過ぎたオヤジのくせに,女性に嫌われていない証拠かも知れません…」なんて自慢してます。

私のような独立系宅建講師(大手予備校の知名度に依存しないで仕事してる講師)は、当然の事ながら、会社の看板には頼れない、純粋な人気商売です。

とすれば、"女性に嫌われない"のが人気商売のコツは、大手予備校の講師以上に当てはまっているし、私は、今でもそれを達成出来ているのかもしれません。

(3)嬉しい証拠


例えば宅建倶楽部では今、Web無料模試の印刷サービスを行ってます。

印刷したものはヤマト運輸のメール便で送るので、当然、メール等で住所・氏名を教えてもらわなければなりません。

去年より印刷サービス利用者は増えてますが、9月6日~9月9日までの4日間に、経験したことのない珍現象が起きました。

この4日間に十数名のかたが印刷サービスを利用されたのですが、何と全員が女性なんです!
女性の個人情報に対するガードが男性以上に堅いのは、皆さまご存知の通りなのに…。


この4日間に印刷サービスを利用された男性が一人でもいたら、どうぞ、ネット上にサラシテ下さい。サラサレなかったらウソじゃない証拠とさせて頂きます。

この歳になっても、"女性に嫌われてない"証拠の一つが増えた"ようで、今日は朝早くから嬉しいのです。

2013年9月8日日曜日

東京五輪決定! 7割の宅建受験者に好影響か?

平成25年9月8日早朝、2020年の東京五輪がIOC総会で決まりましたが、そうなると、東京都だけじゃなく、我が国全体の不動産・建設・金融関連の活性化に大きく影響してくれるでしょう。

何しろ"経済はムード"ですから!

(1)宅建受験者の7割に好影響


宅建試験の実施機関が発表した資料によれば(いずれも平成24年度)、
 1. 不動産業が合格者に占める割合…30.3パーセント
 詳しくはこちら
 2. 建設関係が合格者に占める割合…10.7パーセント
 詳しくはこちら
 3. 金融関係が合格者に占める割合… 9.7パーセント
  詳しくはこちら
で、合計すると50.7パーセントになります。

残りの合格者は、他業種(23.6パーセント)・学生・主婦等です。

私が得ている情報では、他業種・学生・主婦等でも、将来不動産業・建設関係・金融関係に進むかたは20パーセントいます。
また、合格者の割合と受験者の割合は、大体一致します。

そんなワケで、2020年の東京五輪決定で、7割の宅建受験者に好影響するとみています。

(2)良い愛国心


私の学説(?)では、 愛国心(≒ Nationalism)には悪いものと良いものがあります。

ア.悪い愛国心(戦闘的愛国心)

他国と「戦闘する」愛国心です。
戦争が典型ですが、尖閣諸島・竹島・北方四島等の「領土問題」もこれに属します。

イ.良い愛国心(非戦闘的愛国心)

他国と「競争する」愛国心や自国の「伝統・文化を誇る」愛国心です。

今回のオリンピック招致で、トルコのイスタンブールやスペインのマドリードと競争したのは、他国と「競争する」良い愛国心に属します。

(3)ただし警戒は必要


オリンピック招致が良い愛国心だとしても、手放しで喜ぶのは禁物!

なぜならば、他国と「競争する」愛国心が行き着く先は、近代五輪の家元がヨーロッパ貴族であることが物語っているように、市場原理主義かもしれないからです。


そう言えば、我が国の招致委員長の竹田恆和さん(明治天皇のひ孫)も、竹田の宮という元皇族の家系でしたね(今の グランドプリンスホテル高輪 は竹田の宮の屋敷だったことで有名!)。

ここしばらくは、"経済がムード"であることを百も承知の政府やマスコミが"お祭り気分を煽り消費税増税の布石に利用する危険"等もあるので、迷物講師と同じフツーの人は、警戒を怠ってはダメだと思います。

朝起きてテレビみてたら、私と同じ年代のフツーの人が、"1964年(昭和39年)の東京五輪の時の感動を子や孫に伝えられるので嬉しいです!"なんて人の良さそうなコメントしてましたが、「チョット待てよ!」と、当時からデカルトの方法序説を読んでいた迷物講師は感じたのでした。

2013年9月6日金曜日

ネット隆盛以前に"一生の蓄えを作った"

更新:平成28年3月16日(水)


(1)ちょっと書き足します


平成28年3月11日までは、
上のほうにあるブログの説明文に「…ネット隆盛以前に一生の蓄えを作った…運のいい男」なんて書いてありました。
いまだ景気が完全に立ち直ったとは言えないので、読む人によっては、「何と生意気な発言!」と思われたことでしょう。

そこで、ちょっと書き足します。

(2)迷物講師はノン・キャリア官僚の息子


私の父親は、旧制中学しか出ていないノン・キャリア官僚でしたが、努力の人でもありました。

その甲斐あってか、最後は、当時の大蔵省印刷局官報課長にまで昇りつめ、70歳で当時の勲四等旭日小綬章、死後は従四位を授けられました。

しかし、しかし…。
我が家には、いつも、お金が無かったみたいです。

八百屋の娘だった母親は、私が中学校にあがる頃まで、新宿伊勢丹の買物袋を作る内職をしてました。

俸給(給料)の遅配が絶対にない官僚なのに、母親が内職までせざるを得なかったのは、おそらく、子どもたちの教育費を最優先させた結果だったのだと思います。

そしてその動機は、ノン・キャリア官僚だった父親の"悔しさ"にあったと思うのです。

(3)父親の期待を裏切った迷物講師


長男だった私は、「東大に入る」ことを期待されてました。

日本で最初に出来た進学教室は「日本進学教室」という名前で、本部が東京の千駄ヶ谷にありました。

長谷川先生というかたが主催者で、私は入室試験を受けて、小学校5年生でそこの「男子組」に入学を許可されました。

日本進学教室は実力別のクラスで、
 1. 国立二組
 2. 国立一組
 3. 慶応二組
 4. 慶応一組
 5. 男子組または女子組
の5段階編成でした。

国立二組は一番出来る子が入るクラス、男子組は一番出来ない子が入るクラスということです。だから、私が入学を許可されたのは最低クラスでした。

小学校5年生当時の学力は、「90パーセントの確率で、大学入学時まで変わらない」というのが私の学説(?)です。

私の小学校時代は、6年間一度もクラス替えがなかったですが、常にクラスで一番の成績だったS君は、その後東大に行きました。そして、日本進学教室では国立二組でした。

私の弟も同じで、日本進学教室は国立二組、大学は東大です。

最低の男子組だった私が、その後どんな所に行ったかは、皆さまの想像にまかせることにしましょう(笑)。

いずれにしても、「東大に入る」という父親の期待を見事に裏切ったのは、間違いありません。

(4)話を戻します


話が脱線しちゃいましたが、そんな貧乏人の息子で、東大に入れなかった迷物講師が、どういう方法で、ネット隆盛以前に"一生の蓄えを作った"のか?

理由をひと言で書けば、自分が努力したからです!

貧乏人の息子なので、親の遺産なんて無きに等しいです。

いま宅建倶楽部の事務所として使っている古いマンションの部屋くらいが、親の遺産と言えるようなものです。

この事務所の部屋も、法律上は弟との共有なので(資産価値がほとんど無いので、まだ遺産分割もしてない!)、私は、やっぱり貧乏人の息子だと思います。

そんな貧乏人の息子が、ネット隆盛以前に"一生の蓄えを作った"時期は、いわゆる土地バブル崩壊後の平成4年から平成18年くらいまでの間です。

この時期は、知っている皆さまも多いと思いますが、私が某大手予備校の非常勤講師から独立して、宅建倶楽部を運営していた時期と一致します。

だから、ネット隆盛以前に"一生の蓄えを作った"方法は、宅建倶楽部の運営で大儲け出来たからです。

(5)ネット隆盛以後


私は平成10年(1998年)の Windows 98 発売とほぼ同時に、宅建のWebサイト(宅建の迷物図書館)を作って、現在までやってますが、平成19年くらいから平成25年まで、宅建倶楽部の儲けは下降の一途をたどり、現在は一定の線で下げ止まってます。

だから私は、平成18年までが”ネット隆盛以前”、平成19年以降が”ネット隆盛以後”と振り分けてます。

そんなワケで、”ネット隆盛以後”は、宅建予備校は儲からなくなったなぁ~と感じてます。
理由は簡単。同業他社の乱立です!

宅建予備校乱立の理由も簡単ですね。
司法試験・司法書士試験・行政書士試験に受かっても、昔と違って、食える保証が全然ないです。
だから、下位資格とされる宅建に人材等が流れ落ちて来て、食うために、宅建を教える人が平成19年以降激増したのです。

まあ、すべては簡単な経済原則ですね。
競争相手が増えれば、"儲けもその分減る"だけ!

(6)じゃなぜ宅建倶楽部を続けてるの?


ここまで情報をバラしてしまうと、"一生の蓄えを作った"人が、儲からなくなった宅建予備校を続けている理由は何なの? という質問が来そうなので、それにお答えしときます。

スタッフに給料をたくさん払う」ためです。

皆さまは、「迷物講師は何とやさしいの!」なんて思っちゃダメ!

なぜ 「…"スタッフに給料をたくさん払う"…」と思いますか?
それは、宅建倶楽部のスタッフ全員が他人じゃないからです。
すでに1年以上前からグーグルの Blogger でブログを書いている doremi 親戚です!

この事知っている宅建講師は、私の記憶では5人くらいいると思います。