2018年4月25日水曜日

宅建士試験と官報


官報15000号発行記念鉛版

官報15,000号発行記念鉛版

宅建士試験平成29年度[問25] 肢1
土地鑑定委員会は、標準地の単位面積当たりの価格及び当該標準地の前回の公示価格からの変化率等一定の事項を官報により公示しなければならないとされている。(答バツ)

宅建士試験平成29年度[問29] 肢2
国土交通大臣は、宅地建物取引業者B(乙県知事免許)の事務所の所在地を確知できない場合、その旨を官報及び乙県の公報で公告し、その公告の日から30日を経過してもBから申出がないときは、Bの免許を取り消すことができる。(答バツ)


(1)何かと気になる官報

普通の人が宅建士試験の勉強していて気になる言葉ってイロイロありますね。
今回は、その代表格である官報(かんぽう)について書きます。

官報って、国立印刷局(旧 財務省印刷局が平成15年4月1日から国立印刷局になった)が発行する、国の公告(国に関連する事項を広く一般の人に知らせること)のための機関紙(日刊)です。


(2)歴史 - その1

官報の歴史は結構古いです。

慶應4年・明治元年(1868年)から明治6年(1873年)までは、江戸幕府時代の「高札」が官報の代わりでした。

印刷機が輸入されると、「太政官日誌」というのが今の官報の前身として配布されていたようです。


(3)歴史 - その2

現在の官報第1号が発行されたのは、明治16年(1883年)7月2日。
今年は2018年ですから、第1号が発行されてから約135年になります。

冒頭画像の鉛版(輪転印刷機の原版に使った湾曲した鉛合金)は、官報15,000号となっていますが、この15,000号って元号(天皇)ごとにふられるもので、昭和時代の番号です。
昭和になってから15,000番目の官報が発行されたのは、昭和52年(1977)年1月11日火曜日です。昭和天皇は昭和64年1月に崩御されたので、18,559号で昭和の官報は終了しましたが。

平成になってからは、きょう2018年4月25日水曜日で、7,251号の官報が発行されました。8,000号も行かないうちに、今の天皇は退位されるんですな!

なお、元号(天皇)ごとにふられる官報の番号、明治時代は8,734号で終了、大正時代は4,303号で終了、昭和時代は18,559号で終了、平成時代はきょう2018年4月25日で7,251号が発行されので、きょうの官報は創刊以来、8,734+4,303+18,559+7,251=38,847番目だったということです。

その38,847号全部に使われている縦書きの「官報」という題字は、誰の書か?
創刊当時の太政大臣であった三条実美(さんじょう・さねとみ)公によるものです。


(4)蛇足

冒頭の画像、官報15,000号発行記念鉛版 (昭和52年のもの)は非売品ですが、宅建倶楽部の倉庫の奥で腐りそうになっていたのを、数日前スタッフが偶然見つけてくれました。

なぜ私の手元にあったか?
迷物ファンの方ならご存じですね!


※ 参考サイト

官報の歴史(国立印刷局)