2013年12月12日木曜日

宅建教材の古典や伝統の恐ろしさ

更新:平成28年11月4日


前回は、古典や伝統を尊重しているのが宅建倶楽部というような記事を書きました。
今回はその続編で、宅建試験の短期合格につながる話をします。

(1)宅建に出題される科目の古典


宅建に出題される科目の古典は「我妻民法」です。

1897年(明治30年) ~ 1973年(昭和48年)まで生きていた民法学者で、我妻榮(わがつまさかえ)という先生が提唱した学説が、「我妻民法」です。
今のいろいろな最高裁判例は、その基礎に「我妻民法」があり、だから古典なのです。

民法は、宅建業法のみならず法令上の制限(都市計画法や建築基準法など)の土台(基礎)です。
そこで、宅建業法・都市計画法・建築基準法などは民法の「特別法」と言われます。
言い方換えると、宅建業法・都市計画法・建築基準法などの「一般法(土台)」は民法となります。

(2)宅建学習の古文書


宅建学習の「古文書(こもんじょ)」と言えるのは、「宅地建物取引の知識」(住宅新報社)です。
初版が昭和33年9月5日で、当時の建設省不動産業課が監修しています。だから古文書なのです。
宅地建物取引の知識
写真は平成6年度版です。宅建倶楽部ではこの版を最後に買ってません。




















(3)宅建学習の古典


古文書である「宅地建物取引の知識」は、ここでは書けない理由で、宅建の勉強をする際にはオススメできません。現在使っている人もいないでしょう。

代わりに宅建学習の「古典」とされているのが、パーフェクト宅建(住宅新報社)です。初版が平成3年5月27日だから、古典なのです。

約1年10ヶ月遅れて、平成5年3月31日にらくらく宅建塾(週刊住宅新聞社)の初版が発行されましたが、私はこれも「古典」に含めていいと思います。

(4)隠れた古典 - ただし迷物講師のシャレ!


まだ「パーフェクト宅建」も「らくらく宅建塾」も無かった昭和62年に、私が大栄宅建学院という予備校で、「スーパーレジュメ」という名前で受講者に配って大好評だった教材(隠れた古典)があります。当時は大栄宅建学院から与えられた教科書を完全に無視し、「スーパーレジュメ」だけで授業をしてました。
そのレジュメが、今の「宅建ファンタジスタ(有料)」に進化しました。無料版は「宅建の参考書・テキスト」として現在公開しています。


(5)古典の恐ろしさ


宅建倶楽部が古典や伝統を尊重している理由は、それらが恐ろしいからです。
古典や伝統の恐ろしさは、インターネットの発達した現代でも何ら変わりありません。

クラシックの演奏会に行くと、いまだに、バッハ・ベートーベン・ショパン・シューベルト・シューマンのオンパレード!
現代作曲家の曲は、なかなか演奏されません。
古典や伝統は恐ろしいと思いませんか?

「パーフェクト宅建」や「らくらく宅建塾」という古典があり、今でも立派な売上を上げているのに、年を追うごとに新しい宅建講師・教材が世に出てきます。

大手予備校に使われていた人がほとんどですが、
 ・ 作られた人気講師は簡単に使い捨てられる 
 ・ 人に使われているよりはマシ
 ・ オリジナルの教材を開発すれば儲かる
などと考えた結果なのでしょう。

私は、自分も同じ立場にいたので、こういう方には同情してやまないです。
年齢的に引き返しが難しい30代・40代の人が多いので、なおさらです。

ま、私が偉そうに言うことじゃなかったです。
インターネットなんかなかった時代、私は、住宅新報社の不動産受験新報に広告を出しただけで、食べて行けた運がいい男です。なぜなら、過去のコンテンツ(古典)と競合しても、受験者にはそれを知る手段がなかったからです。
※ 関連記事 
インターネットの発達と業界の将来性


(6)長期受験に苦しむ受験者のかたへ


今回は短期合格につながる話だったのが、いつの間にか脱線してしまいましたね。

「年を追うごとに増える新しい宅建講師・教材」と「長期受験に苦しむ受験者」とを比較した場合、私が重きを置くのは当然に後者です。

きょう現在私が見たところ、新しい宅建講師・教材で古典を打ち破る「人生哲学・教育哲学で」やっている所は、ほとんど無いです。

 ・ 合格率の高さ
 ・ 勉強道具の斬新さ
 ・ 価格の安さ
などを強調する所は、「長期受験に苦しむ人こそ」最大の警戒心を抱かなければなりません。

宅建試験は、純粋な書面審査(紙文書の読解力ですべてが決まる試験)です
その読解力は、漢字の勉強から始まって、理屈がわかるようになる訓練、推理できるようになる訓練を経て、ようやく身につくものなのです。

法律を勉強する王道も、我妻先生の時代と全然変わっていません。
もちろん、かけた費用と合格率が比例する話じゃないです。
宅建は、紙文書の読解力を試す大人の試験に過ぎません!