2013年12月25日水曜日

平成25年度【問2】肢3の解説

(1)宅建の勉強は楽しくしよう


宅建業法16条2項は、「試験は、宅地建物取引業に関して、必要な知識について行う。」と書いてあります。

それからすると、平成25年度【問2】肢3は、果たして宅地建物取引業に関して、必要な知識か?
私には大いに疑問です。こんな問題でした。

男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。

高校や大学の受験でも同じですが、こんな問題が「高校生や大学生になろうとする者にとって、果たして必要か?」なんていうやつは、いつの時代でも出題されます。

文句を言っても始まらないですね。
だったら、試験勉強は楽しみながらヤルっきゃない!
これが私の考えです。

(2)つまらない解説はダメ


【問題】

男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。

【つまらない解説の例】

男は18歳に女は16歳になれば、婚姻できる(民法731条)。
未成年者が婚姻するときは、父母の同意が必要だが、この同意は父母の一方だけの同意でよい(民法737条)。
したがって本肢は誤り。


(3)なぜ、つまらない解説か?


それは、「なぜ父母の同意が一方だけでよいのか?」 その理由にひと言も触れていないからです。

実は、「一方だけの同意でよい」のは、男女同権に関係します。
つまり、父も母も、子の親権に対しては「同等の発言力があるとする男女同権思想」の現われなのです。

未成年の子が結婚すると言い出した時、父親が反対したとします。
でも男女同権なんだから、母親がいいじゃんと思った場合、その母親の子を思う意思を尊重するのが、男女同権というものでしょう!

(4)さらに楽しく - その1


昭和35年までは大学生の数が少なかったので、司法試験にも択一式はなくて、いきなり論文試験を受験できたそうです。
司法試験の択一式は昭和36年から創設されましたが、手許にある文献によると、昭和41年にこんな問題が出題されました。

未成年者に父母がいない場合は、後見人の同意…中略…がなくとも、婚姻することができる。

上の(2)のつまらない解説は、未成年者に父母がいない場合には全然触れていませんね。
この記事をご覧の皆さまは「元々両親ともいない未成年者はどうするんだ?」という疑問を持ったでしょ?
さあどうしましょう?

答はマルで、
 ・ 父母双方ともに、死んでいる場合
 ・ 父母双方ともに、不明の場合
 ・ 父母双方ともに、意思表示できない場合
その未成年者は、誰の同意がなくても婚姻できます。
未成年後見人(児童養護施設・親族など)は同意を与える権限がないというのが、「法務省の通達」なんです。未成年婚に対する同意は、父母の愛情に基礎があるということです。

ここまで書いてきた事については、私が作成した解説集に載せました。
無料版も、来年1月には公開しようと思います。

(5)さらに楽しく - その2


(イ)


ここから先は、私の解説集には載っていません。
でも、宅建の勉強を楽しくするために書いちゃいます。
今の民法の出題者は、「宅地建物取引業に関して必要でない知識でも平気で出すことがある人ですから、いつ役に立つかも知れないし…。

(ロ)


皆さまは、男女同権思想からして、そもそも男18歳・女16歳と、婚姻できる年齢を差別していること自体、おかしいと思いませんか?

グローバル的には男女同権思想が広まるなか、婚姻適齢の男女差を無くす方向に進んでいます。

 ・ ドイツは1974年から
 ・ イタリアは1975年から
 ・ フランスは2006年から
 ・ 韓国は2007年から

男女とも、婚姻できる年齢を18歳に統一させています。

また、父母の同意なしに婚姻できる年齢と成人年齢(世界の多くは18歳)を一致させる傾向になってきているようです。
私は無党派層ですが、下の参考資料にリンクしておきます。

※ 参考資料  男女の婚姻適齢の違いをどう考える? - 日本共産党

宅建の勉強は楽しくしよう!