私は常に、自分の見聞きしたもの、経験したものを元に情報を発信してます。
またその情報は、受け手の「8割に役に立つか」を基準に発しています。
以上を前提に、きょうは「詰め込み勉強」(≒大量の丸暗記)について、思うところを述べます。
(1)原則論 - 8割以上の学習者に妥当
私は、詰め込み勉強を否定する講師じゃないです。
むしろ、「詰め込めれば大したもんだ!」と思ってます。
どんな学校でも、詰め込み勉強を正面から肯定する先生はいません。
その理由を聞くと、詰め込み勉強には、
・ 応用が効かなくなる
・ 積極性が育たない
・ すぐ忘れる
等の弊害があるからだと言います。
今の教育で、上のような弊害が生じている点については、私も同感です。
しかし、
・ 応用が効かなくなる
・ 積極性が育たない
・ すぐ忘れる
等の弊害を生じさせている犯人が果たして「詰め込み勉強」か?、となると私は大いに疑問を感じます。
私は、
・ 応用が効かなくなる
・ 積極性が育たない
・ すぐ忘れる
のは、「詰め込み勉強」が犯人なのではなく、8割以上の学習者の「詰め込めていない現実そのもの」だ、と考えています。
その意味で私は、詰め込み勉強を否定する講師じゃなく、むしろ、「詰め込めれば大したもんだ!」と思っているワケです。
(2)例外論 - 2割未満の学習者に妥当
8割以上の学習者に「詰め込めていない現実」が有るとしても、残り2割未満の学習者には「詰め込めている現実」が有ります。
これは長年宅建講師をやってきた経験値とも合致します。また、大学の教員をやっているうちの奥さんとの共通認識でも有ります。
そういう2割未満の少数者には、こちらが「ガンガン詰め込んでも」、
・ 応用が効く
・ 積極性が育つ
・ すぐには忘れない
という好結果をもたらしてくれます。
なぜそうなるか?
それは勉強というのは、どんな勉強でも、自分がするものだからです。
すべての教材(講師・テキスト・音声教材・動画)は、学習者の「お手伝いさん」に過ぎません。
どんな勉強でも、自分がするものなので、学習者自身の認知構造(過去から積み上げられてきた知識)の違いが、
・ 応用が効く
・ 積極性が育つ
・ すぐには忘れない
という好結果をもらすかどうかの、最大のポイントになります。
認知構造(過去から積み上げられてきた知識)という単語は、教育心理学的な専門用語なのですが、こんな例をあげると一般の皆さまにもお分かり頂けるかもしれません。
いま皆さまが、高級外車ベンツの新車カタログを見ているとします。
自動車なんかには興味がなく、運転免許さえ持っていない人には、その新車カタログからは、ベンツに関する情報は全然インプットされないでしょう。
デザイン関係の仕事をしてきた人には、その新車カタログからは、ベンツのデザインに関する情報がインプットされやすいでしょう。
自動者関係の仕事をしてきた人には、その新車カタログからは、ベンツのメカニックや装備に関する情報がインプットされやすいでしょう。
このように、同じベンツの新車カタログなのに、そこから得られる情報が違ってくるのを、認知構造の違いというのです。
ま、認知構造の違いによって、好結果をもたらす学習者は、宅建や大学の勉強では2割未満の少数者に過ぎないという事です。
残り8割以上の多数者は、認知構造(過去から積み上げられてきた知識)が宅建試験の出題科目と噛み合わないために、「詰め込めていない現実」にさらされていて、結果、
・ 応用が効かなくなる
・ 積極性が育たない
・ すぐ忘れる
という悲惨を突きつけられる、という事です。
(3)打開策
(イ)2割未満の学習者に妥当
御自分の認知構造(過去から積み上げられてきた知識)が、宅建試験の出題科目と噛み合うと感じるかたは、「ガンガン詰め込んで」下さい。
まだ余裕がある時期でも直前期でも、「ガンガン詰め込んで」下さい。
私はこのタイプでした。
(ロ)8割以上の学習者に妥当
現時点で、御自分の認知構造(過去から積み上げられてきた知識)が、宅建試験の出題科目とどうも噛み合わないと感じるかたは、ただの1時間も「詰め込もうと考えちゃ絶対にダメ」です。
「詰め込もう」と考えれば考えるほど、本試験では、
・ 応用が効かなくなる
・ 受け身思考で撃沈
・ すぐ忘れる恐怖を本試験会場まで持ち込む
等の弊害が出やすいです。
そうじゃなく、今まで勉強してきた知識が少なくてもいいから、それらを理解しようと努力して下さい。
8割以上の学習者に妥当するキーワードは、「理解」です!
御自分の過去から積み上げてきた知識(認知構造)が、宅建試験の出題科目と噛み合うと少しでも感じられるように、自分勝手なデタラメなイメージでいいので、理解するようにするんです。
民法の抵当権を勉強するんだったら、抵当権は金貸しに配慮した制度なので、御自分が嫌いな銀行の担当者を抵当権者としてイメージし、貸しはがしされる隣の好きなおじさん(抵当権設定者)をかわいそうな人に仕立てて、物語を作りながら勉強するんです。
これが「理解」です。
この物語は、独学でやるなら、本当に自分勝手なデタラメなイメージでいいんです!