2013年10月6日日曜日

実質的な理由を探る勉強をしよう

(1)イントロ


理由のない結論は無い!

私は学校の先生や親にそう言われて育ち、これは、現代科学が教えるところでも有ります。
ここまでで異論のあるかたは、いないと思います。

ところで、理由には、
 ・ 形式的な理由
 ・ 実質的な理由
があり、日本人の8割が、形式的な理由で満足しているように思えてなりません。
何事につけても…。

今回は、そのあたりにメスを入れつつ、短期合格につなげていけたらいいな、と考えています。

(2)問題 - その1


(問題)
美輪明宏は女性である。

(解説)
美輪明宏は男性である。
したがって、本問は誤りである。
  
この解説は、
【理由】
… 美輪明宏は男性である。
【結論】
… したがって、本問は誤りである。

というスタイルですが、上のような理由を「形式的な理由」といいます。
なぜ、美輪明宏が男性かについて、実質的な事に全然触れていないからです。

何事につけても、このような「形式的な理由」で満足していたら、人生、本当につまらないと思います。
こういうのに満足してしまうようじゃ、政府のウソはおろか週刊誌のウソさえ見破れません。
ウソが見破れない人は、一生誰かにミツグことにもなりかねません。
これじゃ、一度しかない人生モッタイないです。

(3)問題 - その1 - 迷物講師の解説


私なら、この問題に対しては、【実質的な理由】を加えますね。
下のような感じです。

(問題)
美輪明宏は女性である。

(解説)
【実質的な理由】
… 美輪明宏(本名:丸山明宏)の戸籍を調べたら、男性である旨の記載があった。
また、美輪明宏の出身校国立音楽大学附属高校の後輩A氏(迷物講師の友人)は、男性である旨の証言をしている。
【結論】
… したがって、本問は誤りである。

上の【実質的な理由】には、なぜ、美輪明宏が男性かについて、実質的な事にちゃんと触れています。

(4)問題 - その2


(問題)
宅建業者Aは、物件の買主が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した。Aは、宅建業法に違反する。[平成24年度問41事例ウ改題]

(解説)
売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引することは、宅建業法に違反しない。
したがって、本問は誤りである。
  
この解説は、
【理由】
… 売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引することは、宅建業法に違反しない。
【結論】
… したがって、本問は誤りである。

というスタイルですが、この理由も美輪明宏の問題と同じで、「形式的な理由」ですね。
なぜ、代金を引き下げて契約の締結を誘引することが宅建業法に違反しないかについて、実質的な事に全然触れていないからです。

わが宅建試験業界の教材って、残念ながら、こういう「形式的な理由」にしか触れていないものって、結構多いんですよ。本もCDも動画も。

皆さまは、このような「形式的な理由」で満足しますか?
こういうのに満足してしまうようじゃ、予備校の大げさな宣伝はおろか親切そうに近づいてくる関係者の甘い言葉にさえ乗せられやすいです。
これじゃ、大切な時間を切りさいての苦労がモッタイないですよね。

※ 関連記事 宅建の過去問解説の不思議


(5)問題 - その2 - 迷物講師の解説


私なら、この問題に対しても、【実質的な理由】を加えますね。
下のような感じです。

(問題)
宅建業者Aは、物件の買主が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した。Aは、宅建業法に違反する。[平成24年度問41事例ウ改題]

(解説)
【実質的な理由】
… 本問は、「手付貸与等による契約締結の誘引禁止」規定に違反するように見えるが、チョット違う。手付貸与等による契約締結の誘引は、お客さんに、宅建業者に対する「借金が残る」から禁止されるのだ。しかし本問は、売買代金を引き下げて、契約の締結を誘引したに過ぎず、これは単なる値引きであり、お客さんに、宅建業者に対する「借金など残らない」ので、禁止する理由はない。
【結論】 
… したがって、本問は誤りである。

上の【実質的な理由】には、なぜ、代金を引き下げて契約の締結を誘引することが宅建業法に違反しないかについて、実質的な事にちゃんと触れています。

そうです。
代金を引き下げて契約の締結を誘引することが宅建業法に違反しないのは、お客さんに、宅建業者に対する「借金など残らない」からです。こんなのは単なる値引きです。宅建業法は、お客さんに「借金が残る」スタイルの契約締結の誘引(誘い込み) = 典型:「手付貸してあげるから早くハンコ押して」 = だけを禁止しているんですね。

お客さんが、「手付貸してあげるから早くハンコ押して」っていう悪徳業者の誘いに乗ったら、結構ヤバイことになります。後で良く考えて、その物件をクーリング・オフ出来たとしても、業者から借りた手付金相当額は民法の金銭消費貸借契約上の債務なので、その分の借金は残り続けることになります。

そういう悲惨な事が起きないように宅建業法が用意した制度が、どんな参考書にも書いてある「手付貸与等による契約締結の誘引禁止」の規定なんですね。

(6)結論


実質的な理由を探る勉強の大切さを理解して頂けたら、うれしいです。

せっかくのチャンスなので、宅建試験でこういう実質的な理由を探る訓練をしておくと、これからの人生、もっともっと面白くなりますよ!

実質的な理由を探るクセが付くと、宅建に短期合格しやすいのはもちろん、それを超えた人生の面白さを皆さまにもたらしてくれるかも…です!